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県議会答弁:令和6年9月定例会(園山議員質問分)令和6年9月19日

(議員質問)

 少子化が進展する中で、県内の子供たちの学びの場を確保し、能力を伸長させ、たくましく生きる力を育むためにも、施設の配置や整備のありかたなどについて将来的な展望を見据えて今から準備をしていく必要があるが、何をどう考えるか、伺う。

 

(教育長答弁)

 今年3月に中学校等を卒業した生徒数が5,757人であるのに対して年度ではなく暦年の数字でございますが、令和5年の出生数は、先ほど局長の答弁のとおり、約35%1,998人減の、3,759人となっています。
協調して定員管理をしている松江市立高校を含めて、今年4月の全日制の公立高校の募集定員は、5,043人で130クラスであります。
大まかに言えば、この35%、約45クラスの学級減が15年後の規模となります。
どこまで単純な学級減や定員減で対応できるのか、現在、高校と地域が協働して、地元生の獲得に努力したり、県外からの入学生を募集するなど魅力化に取り組んでいる中で、今後は、議員がお取り上げになった京都国際高校のような例のほか、ICTを活用した遠隔授業や、キャンパス方式などの新しい手法も視野に入れながら存続のための工夫をしていくのか、または、閉校した上で周辺高校までの交通手段を確保するのか、などの方法について、検討しなければいけない時期がまいります。
これらの見直しの時期につきましては、「この時点で」という明確な考えは、今は未だ、持ち合わせておりません。
しかしながら、議員御指摘のように手遅れとならないよう、社会移動数を含めた人口減少対策の成果や、中学校等卒業者の志願動向などを注視しながら、検討のスタートラインについて考えてまいります。


 

(議員質問)

 学校での図書環境を整備している長所を生かし、県教委は幼児期の読書の奨励を徹底すべきである。学力向上のためのこれまでの一連の取組、努力には敬意を表するが、幼児期の取組が学力向上の必要条件と考えるが所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 「ねえ、この本読んで!」
私が、乳幼児への読書普及を担当していた、13年前に辿り着いた「出口」が、子どもたちの、この言葉であります。
子どもたちは、興味が湧いた本、面白かった本を何度でも読みたがります。文字が読めなくても、手に取ってながめたり、指でなぞってみたり、大人に読み聞かせをしてもらいたがります。
そのため、子どもたちがお気に入りの本を見つけることができるよう、県で300冊の図書を選書して、それを各市町村用に3セット計900冊ずつ購入し、その他の図書も合わせて約2万冊を全市町村に寄託しました。市町村から、主に幼児教育施設に貸し出し、施設での読書や読み聞かせを進めたり、家への持ち帰りも認めて、親子読書「読みメン」、読み聞かせをする大人の造語ですが、普及も進めました。
その後、本の追加や補充なども行い、子どもと、子どもに関わる大人が施設や家庭で、一緒になって本を楽しめるような取組が今も続いています。
これにより、子どもたちが自分のお気に入りの本を見つけることができていることと、読書習慣の定着への関連について、調査をしたことはありませんが、読書環境が改善したことによって、子どもの読書習慣への一定程度の効果があると聞いております。
私も先般、研修で学びましたが、議員ご指摘のとおり、スマホなどの「平面画面」には、人の表情、場の雰囲気がわかりづらいため、空間認知の成長を阻害したり、会話のない世界で過ごすことで、コミュニケーションの成長を阻害するなどの悪影響が指摘されております。
子どもの情操を豊かにし、言葉を選び、学び、想像力を高めながら課題解決する力の土台を身につけるため、幼児期の読書は重要であります。私は特に、主語と述語からなるそれを貫いた文章の習得について期待していますが、この幼児期の読書を「土台」として定着させることは、学力向上につながる学びの基礎体力にもなると考えます。
この春より、学力向上、働き方改革をテーマに、小学校を中心に約50校の学校訪問を行いましたが、ヒアリングの中で、小学校1年生の4月5月の学級づくりが、その後の学校生活を決定するという課題意識を市町村の教育長さん方とも改めて共有しております。
年明けからは、この訪問を一旦終えて、テーマを幼小連携・接続に変更して、幼児教育施設とも意見交換をしたり、様々な提案をしたりしていきたいと考えております。その中で、議員ご指摘のとおり、学校図書館にある図書や、図書館司書といったリソースを活用することができないか、話をしてみたいと思います。

 


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