県議会答弁:令和6年6月定例会(野津議員質問分)令和6年6月20日
(議員質問)
特別支援教育を受けた子どもたちの18歳以降の状況の把握をどのようにしているか伺う。
(教育長答弁)
特別支援学校を卒業した者については、卒業後の3年間、毎年、各学校において卒業生全員の状況を把握しております。このうち、就職した者については、教員が、企業や福祉事業所などの勤務先を訪問して、卒業生本人と、受け入れ側の企業等の双方から勤務状況等を伺い、必要に応じて、障がい者就業・生活支援センターなどの関係機関と連携し、本人や企業等の困りごとなどに対するサポートを行っております。
また、卒業時に就労先が未定だった者もハローワークなどの関係機関と連携し、本人が希望する企業等へ就職できるよう、支援をしております。
大学や専門学校等に進学した者については、訪問をしない場合もありますが、電話、メールで進学後の状況を把握しております。
高等学校を卒業した者については、学校が卒業時の進路状況をおおむね把握しておりますが、その後については把握しておりません。
(議員質問)
市町村教育委員会と連携し、本人、保護者、学校関係者、企業などに対して追跡調査や現況調査を行い、今まで受けてきた教育の評価へ活かしていくことが必要ではないか、今後の方向性と対策を伺う。
(教育長答弁)
先ほど、述べたとおり、特別支援学校の卒業生については、卒業後3年間の就職や進学後の状況を確認し、在校生の指導や支援に活かしております。
小中学校で特別支援教育を受けたのちに、高等学校に進学した者については、生徒によっては、引き続き通級による指導を受けることもありますが、基本的には、高等学校の教育課程での学びが可能であり、特別な支援の必要性が低くなっていると判断し、高等学校への進学を選択したと考えられます。
また、仮に高等学校卒業後に就職先で環境になじめない状況が生じたとしても、就職後の人間関係、給与、福利厚生などの処遇への不満、仕事内容のミスマッチなど、環境になじめない状況となる要因はさまざまであり、それが一つに限定できるとも限りません。
今まで受けてきた教育と関係があるのかどうか、把握することも難しいと思います。
したがって、高等学校卒業後の状況を調査して、今後の教育の検討へフィードバックできるケースは、あまりないのではないかと思います。
中学校卒業時に、特別支援学校高等部と高等学校のどちらに進学するかを考える際、特別支援学校においては、授業見学や体験学習を行った生徒や保護者から就学相談会で進学の意思や将来の希望等を丁寧に確認しております。
高等学校においては、通級による指導の必要性の有無を含め、本人や保護者が入学後の不安について相談できる体制が整えられています。
また、特別支援学級に在籍する生徒の保護者の中には、特別支援学校高等部卒業後の進路状況がわからず、進路決定に不安を抱えておられ、そのために、高等学校への進学を選択される場合もあります。
これに対して、特別支援学校の卒業生の4割程度が、一般企業や雇用契約を結ぶ就労継続支援A型事業所に就職していることなどを情報提供し、保護者が子どもの将来について、見通しを持つことができるようにしております。
特別支援教育を受けてきた子どもたちが、高等学校に進学したのちに就職して、環境になじめなくなる原因が、仮に、それまで受けてきた教育にあることがあるのであれば、高等学校へ進学して支援を受けることが少なくなる道を選ぶのか、在籍中に企業等で現場研修をおこない、本人がその企業等でやっていけるかを確認しながら就職活動を進めている特別支援学校高等部への進学を選ぶのか、中学校を卒業する際に本人や保護者が将来を見据えて、進路を選択できるよう、市町村教育委員会と連携しながら対応してまいります。
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