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県議会答弁:令和5年6月定例会(嘉本議員質問分)令和5年6月19日

(議員質問)

 これまでどのように採用試験を改善し、どのような効果があったのか。
また、今後の採用試験の在り方についてどのような考えを持っているのか、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 近年の受験者の減少と倍率の低下に伴い、適切な資質能力を有する受験者をより多く確保するために、採用試験の見直しを行ってまいりました。

 まず、本県では30歳代から40歳代の中堅層が特に不足しており、即戦力となる人材を確保する必要があります。
そのため、正規教員として一定年数以上の経験のある方を対象に、面接のみで選考を行う特別選考試験を、昨年度から今年度にかけて3回実施いたしました。合計で48人の出願があり、32人を名簿登載いたしました。この内訳は、Uターンが16人、Iターンが14人、県内在住が2人となっており、UターンやIターンの動機付けや、様々な事情で本県の正規教員を辞職された方の復帰の後押しとなり、即戦力の獲得につながっています。
一般選考試験についても、試験内容を大きく見直し、教員としての将来性を含め、資質能力をより適切に把握するため、昨年度実施の試験より、一次の筆記試験を専門性及び思考力・表現力を重視した内容に変更し、二次試験では人物重視を一層徹底するために面接時間を2倍に拡大しました。
さらに、今年度実施の試験より、県内の高校を卒業し、島根大学又は島根県立大学に在籍している学生を対象とした「島根創生特別枠」や、民間企業などで勤務経験のある方への加点制度を新設しました。
また、受験者の受験機会を拡大するため、複数の校種・教科の併願制度を導入したり、小学校志望者については、2次試験の会場を新たに東京と大阪にも設定しました。
このような見直しや積極的な広報により、今年度の出願者は1,130人と、前年度から16%・152人増加いたしました。
今後の試験の在り方につきましては、正規教員経験者のUターン・Iターンの促進に向けた特別選考試験の受験要件の見直しや、大学卒業後に他業種に就職した教員免許を有する若者などの教職への呼び込み、教員免許を有しない社会人を対象として、工業・農業・情報など実技系教科での特別免許状による採用を拡大するなど、様々な観点から見直しを進め、優れた資質能力を有する教員の確保に努めてまいります。

 

 

(議員質問)

 採用試験の見直しにより多くの人が受験しやすくなる中、採用試験の倍率は低下しており、一般論として、新規採用者の教員としての資質能力を懸念する見方もできるが、こうした懸念に対して、どのように対応しようとしているのか、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 議員ご指摘のとおり、近年、採用試験の倍率が低下しておりますが、そうした状況においても、採用試験を通して教員としての資質能力を十分に把握し、厳正に選考することが重要であります。
このため、採用試験においては、先ほどお答えしたとおり、昨年度実施試験より、一次・二次試験ともに大きく見直し、その上で複雑化・困難化する教育現場への課題の対応力について、受験者の将来性も含めて判定する選考基準を設定し、基準を下回った者は不合格としております。
また、令和2年度より、合格した新規採用予定者に対する採用前研修を実施しております。この研修は、講義だけでなく、若手の現職教員を講師とするグループ単位の意見交換なども盛り込んでおり、新規採用者の教員としての使命感や責任感を高める内容にしております。
さらに、近年は新規採用者に占める新卒の割合が増加し、教育実習から4月の採用まで長期間、学校現場から離れている者も多いことから、今後の採用前研修では、実際の学校現場での体験を取り入れ、研修の日数も増加させるなど、新規採用者が自信を持って教員生活を始められるよう、質・量ともに充実を図ってまいります。

 

 

(議員質問)

 これまでの教職員の働き方改革の取り組みについてどのように評価されているか。現在、残された課題とその解決方針について所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 県教育委員会では、令和元年度から3年度までを重点取組期間と位置付け、働き方改革を進めてきました。
その結果、時間外勤務については、全校種平均で、取組前から44%減少しましたが、年次有給休暇の取得日数やワーク・ライフ・バランスがとれていると感じる教職員の割合も含めて目標は達成できておりません。

また、働き方改革の進捗に関する教職員の受け止めを見ますと、アンケート結果からは、自分自身や管理職の働き方改革への取組姿勢について、肯定的回答が7割となっていますが、「外部からの依頼による教育委員会からの急な調査などの事務作業や部活動指導等に追われ、授業準備や生徒指導等のための時間が十分に確保できない」「業務負担軽減の実感が持てない」などの声も寄せられております。
こうした学校現場の声に応えるため、今年度は、抽出ではありますが、さらに細かく教職員の勤務実態を調査することとしております。
今後は、業務量の更なる削減や効率化を図っていく一方で、近年進めている外部サポート人材の協力を得ることが働き方改革の大きな柱であると考えております。
外部サポート人材については、これまでも、予算の大幅な拡充を進めさせていただいており、取組前である平成30年度は、3千万円余でありましたが、今年度当初予算では、4億6千万円余となっております。
さらに、学校現場の実態を踏まえた対応として、専門的人材の配置を進める必要があることから、本議会に必要な予算を提案しております。
現在、国においても教員の働き方や処遇改善について議論が行われているところです。
こうした動きも注視しながら、働き方改革を進めてまいります。

 

 


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