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県議会答弁:令和5年6月定例会(池田議員質問分)令和5年6月23日

(議員質問)

 島根県でも問題となっている子どもたちの不登校の大きな原因の一つは、勉強がわからなくて、学校に行きたくなくなることである。それは、小学1年生からのつまずきの積み重ねである。
もっと踏み込んだ幼保小連携・接続の考え方が必要ではないかと考えるが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 幼児教育において育まれると言われる粘り強さや自己肯定感、などの「非認知能力」は、子どもたちの学校教育における学びに向かう力の土台となります。
また、幼児教育施設における、「遊び」を通した総合的な指導は、小学校以上で育む資質・能力の基礎となります。このように、幼児教育は、生涯にわたる人格形成のはじめの時期における大変重要な教育であります。
これまで、県教育委員会では、市町村に対して、高い専門的見地による国、県の情報提供や、幼小連携・接続アドバイザーによる研修支援を行ってきたほか、幼児教育施設を指導・助言する体制の構築に向けた働きかけを行っております。
また、幼稚園教諭、保育士、保育教諭を対象とした、様々なキャリアに応じた研修では、自分の役割を理解し、実践に生かすことができたという肯定的な意見が多く寄せられています。
「架け橋期」と言われる5歳児から小学校1年生までの二年間は、議員ご指摘のとおり、環境も、学びの形も変わり、小学校入学を境に、子どもたちの生活は劇的に変わります。
子どもたち一人ひとりの人生は絶え間なく継続している一方で、子どもたちにかかわる大人たちは、入れ替わってしまいます。

したがいまして、幼児教育において自発的な学びとして培ったもの、つまり、学びの芽生えを大事につないでいくこと、大人たちがリレーをしていくことを積み重ねていかなければなりません。
今年度は、県教育委員会の組織も強化いたしました。各市町村内での研修支援や、幼児教育と幼保小連携・接続の推進の重要性の周知により、この幼児期と児童期をつなぐ連続性・一貫性について、県内すべての幼児教育施設・小学校が相互理解できるよう、取り組んでまいります。

 

 

(議員質問)

 生活習慣や日頃のしつけを含めた正しい子育て、「子育ては親の責任であり義務である」という事を、保護者である親の理解を深める事がこれからの学校教育の中で特に必要ではないかと考えるが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 「集団での生活」、「協調性」は、幼児教育において育みたい資質・能力であり、「協同性」であったり、「道徳性・規範意識の芽生え」や「社会生活との関わり」として文部科学省が示す、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に挙げられています。
幼児教育施設では、これらの姿を、生活を通して育んでいます。また、その取組については、幼児教育施設の周知方法は異なるものの、保護者に対して、お知らせする機会をもっていると聞いております。
議員の言われる、「子育ては親の責任であり義務である」という考えは、私もまったく同感であります。このことが浸透すれば、今、現にある教職員の負担の大いなる軽減につながるものと思います。
ただ、学校教育を主体として、保護者にそれを啓発していくことに対しては、「そこまで学校に求めるのか」、実際の現場の言葉でいえば、「そこまで学校に押しつけるのか」という声があるのも事実であります。
私としては、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、保護者や幼児教育施設、小学校で共有するとともに、子育ての責務について保護者自身が自覚できるよう、社会全体で取り組んだり、家庭や地域社会との連携・協働を深めていくことが大切だと考えております。

 

 

(議員質問)

 放課後児童クラブは家庭の一部である。地元小学校と連携し、次の日も学校に行けるように、学校で習ったことの「復習」が出来る場として放課後児童クラブをとらえる具体策を盛り込むことが必要であると思うが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)
 家庭学習については、市町村教育委員会が家庭への啓発を行い、習慣化や充実を図っておられますが、昨年度の県学力調査の結果から、学校の授業時間以外で、平日1日あたり1時間以上勉強する高学年の児童の割合は低くなっており、課題と考えております。
放課後児童クラブは、いわゆる学習塾のような勉強を教える場ではないにしても、静かに宿題やドリルなどの自主学習を行ったり、読書をしたりする一定の時間を過ごすことは、子どもたちに学習習慣を身に付けさせ、高学年、中学生、高校生と進んだときに、自ら学習に向かう力を付けるための基になると考えます。
このことについては、すでに取り組んでいただいているクラブもあると承知しておりますが、クラブにおいては、児童の育成支援にあたる放課後児童支援員等の確保が課題となっており、そのため、限られた人員で充分な学習環境を確保できていないクラブもあると聞いています。

クラブで育成支援にあたる支援員等とは異なり、児童が学習を行う時間に見守っていただく方については、特別な資格は不要であります。短時間の業務でもありますので、地域の方々の御協力を得ながら行うことができるような、見守り人材を確保する仕組みづくりも大切だと考えております。
また、クラブの中で児童の宿題等の学習時間が自主的に行える環境整備や職員の配置については、国の補助制度を活用することができます。
4月に行った市町村教育長との会合において、実施可能なクラブから取組を進めていただくよう、県から提案をいたしました。現在、放課後児童クラブを設置している市町村を訪問して、教育委員会や福祉部局との意見交換を始めております。

 

 

(議員質問)

 放課後児童クラブは、子どもたちの素の「日常」を知る事の出来る場であり、支援員は保護者とも毎日接しており、保護者とつながる重要な拠点である。子どもたちの学びや育ちを、家庭や児童クラブ、学校で関わる大人が一緒に支えていくことが大切と考える。
この重要性を生かし、学校も児童クラブと更なる連携を図っていく取組が今後必要ではないかと考えるが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 児童クラブの中には、運営協議会等に小学校管理職がメンバーとして入り、子どもたち一人ひとりの支援などについて情報交換を密に行っている例もあります。
先ほどの学習習慣定着における連携ともつながりますが、子どもたちの24時間、365日を、子どもたちに関わる大人が共通理解のもとで見守り、学びや育ちを支えることについて、現在訪問している市町村教育委員会とお話をしたいと思っております。

 

 


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