県議会答弁:令和5年2月定例会(田中明美議員質問分)令和5年2月24日
(議員質問)
隠岐島前高校はなぜ「しまね留学」をグランドデザインに明確に掲げていないのか、「グローカル人材」をどう育てていく考えなのかを、このグランドデザインからどのように読み取ることが出来るのか伺う。
(教育長答弁)
グランドデザインにおける求める生徒像は、推薦選抜、一般選抜などの入試方法を問わず、また、生徒の出身が県内か県外かといったことによる違いではなく、入学時に求める生徒像といった基本的な方針を定めたものであります。
従って、県外からの生徒を受け入れているというしまね留学そのものについては記載しておりません。ただ、隠岐島前高校では、しまね留学生が多く、約半数程度在籍していることを踏まえてグランドデザインを策定しておりますので、求める生徒像などに反映させているものと思います。
また、「グローカル人材の育成」については、批判的思考力や振り返りといった探究性のほか、主体性、協調性、社会性といった四つの資質・能力を「失敗を共に称え合う学校づくり」という教育の展開により、意思ある未来の創り手となる人材として育成することとしておりますが、具体的にどうするのかまでは、学校教育の基本構想をA4一枚程度にコンパクトにまとめたグランドデザインだけでは伝えきれませんので、ホームページや受検者用の学校紹介などで伝えております。
(議員質問)
総合選抜について別の方向から考えた時、各高校の魅力や特色が分かりにくい場合には、普通科高校は普通科高校、専門高校は専門高校どうしで、結果的に一部の高校に希望が集中することになるのではと懸念されるが所見を伺う。
(教育長答弁)
各高校の魅力や特色が分かりにくいことで、一部の高校に希望が集中するのかどうかといった受検の動向については、まだ中学生の反応を見ておりませんので、現時点ではわかりませんが、仮にそうなるとすれば、何か別の要素で判断がなされたということになろうかと思います。中学生が各高校の違いを十分理解しないまま入学してしまうと、入学した高校の教育内容と実際にやりたいことや、なりたい自分とのギャップを感じてしまうことがあります。
そういったミスマッチが起きないためには、各高校は、中学生の目線に立って魅力や特色を明確にし、丁寧に説明する必要があると思っております。
(議員質問)
先ずは、各高校の魅力化・特色化を一層推進していき、その上で各高校の魅力や特色についての違いや差別化が誰にでも理解できるよう、来年度までにブラッシュアップしていく必要があると考える。所見を伺う。
(教育長答弁)
各高校のグランドデザインにつきましては、学校運営協議会やコンソーシアムなど、多方面からの意見を聞きながら、様々な要請やニーズを踏まえて、毎年度、見直しすることとしております。
その際に、先程申し上げた点に留意してまいります。
(議員質問)
総合選抜枠は、10~40%程度までの間で各高校が定めることになった。
では、各高校でこれまで設定されていた推薦選抜枠が、今後は総合選抜枠になり、推薦選抜枠がなかった大田高校や益田高校も含め、これまで以上に大きく広がるとの認識で正しいか、伺う。
(教育長答弁)
令和5年度の推薦入学者選抜における募集人員は1,132人となっており、全日制入学定員の5,100人に占める割合は、22%となっております。
新しい総合入学者選抜において、仮に全校が上限の40%に設定いたしますと募集人員は2,000人余りとなり、概ね2倍となります。
実際には、その時点の学校のそれぞれの状況から募集人員を決めることになりますので、現時点で、「大きく広がる」かどうかはわかりませんが、制度の趣旨を考えますと、募集人員は増えるものと思っております。
(議員質問)
県外生枠も含めて、総合選抜枠はいつ頃までに決定され、各中学校に周知されることになるのか伺う。
(教育長答弁)
7年度の入学者選抜については、今年の9月頃に、各校の総合入学者選抜における募集人員の見込み等を公表いたしまして、中学校等に通知する予定としております。
なお、身元引受人を必要とする出願者の合格者の上限、いわゆる県外生枠につきましては、実施要綱において、来年10月頃に公表する予定としております。
(議員質問)
中学生が多様な選択肢の中から主体的に目指す高校を選ぶことが出来るように、各高校は、各中学校の先生や生徒たちに、特色であるグランドデザインや三つのスクール・ポリシーについてどのように説明し理解してもらう努力をするのか、伺う。
(教育長答弁)
松江市内の6校の全日制の高校の入学生を対象に今年度実施いたしましたアンケートの結果によりますと、入学前に高校の情報を得る上で参考にした広報媒体などについて、「非常に当てはまる」または「当てはまる」と回答した生徒の割合としましては、複数回答でございますが、多いものから、オープンスクール85.8%、ホームページや受検生用の学校案内84.4%、以下、高校による中学での学校説明会、高校の学校紹介用DVD、中学校での進路指導、家族や先輩等からの情報、県教育委員会発行の学科・学校紹介誌、SNSのインターネットになりますと39.5%、などとなっております。
こうした中学生が利用する広報媒体や機会を通じまして、高校の魅力・特色について理解が進むよう努めてまいります。
(議員質問)
各高校が今後より生徒一人一人の資質・能力を多面的・総合的に評価する方向となるのであれば、学校要覧などにも掲載してPRすべきと考えるが、所見を伺う。
(教育長答弁)
議員が今お取り上げになった在校生や卒業生の変容とか成長といったことは、学校のPRにおいて、とても重要なことだと思います。
こういった事柄を各学校がデータとして整理、管理し、必要に応じてそこから有益な情報を引き出せるようにすれば、先ほど申し上げた、中学生が進路を決める際に参考とする媒体などに落とし込むことで、学校のPRに活用できます。議員の貴重なご意見、ご指摘は、機会を捉えて校長に伝えたいと思います。
各高校の教育活動が中学生や保護者、地域の方々にわかりやすく伝わるために、どのような工夫ができるのかを考えてまいります。
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