県議会答弁:令和4年11月定例会(須山議員質問分)令和4年11月29日
(議員質問)
国の示すデザインが難しいというならまずは県がそれに代わるデザインを示すべきであり、その具体化に向けて各市町村教委が取り組んでいくのが本来の姿だと考えるが、所見を伺う。
(教育長答弁)
前回の答弁ののち、先ほど申し上げたとおり、今月17日にスポーツ庁・文化庁は、ガイドラインの案を公表し、現在、パブリックコメントを受け付け中であります。その中で、地域移行について、地方公共団体が運営主体のケースと、多様な組織・団体が運営主体となるケースが示されており、来年度からの3年間を改革集中期間として取り組むものの、直ちにこのような体制を整備することが困難な場合には、地域の人材を活用するなどして地域連携を進めながら学校部活動を継続することとし、当面は、地域の実情に応じて、学校部活動と地域クラブ活動を併存することとされております。
このことは、当初のスポーツ庁・文化庁の3年で移行するという考え方から様々な方面からの意見を反映して、現実的な選択肢が提示され、私の答弁の内容も取り入れられているものと思っております。従って、今回の国の示すデザインに対しては、このまま決定されるのであれば、そのとおりに進めるのがいいのではないかと、現時点で私は考えております。
条件が整い、地域移行が可能と判断したところは移行すれば良いし、市町村が自ら運営団体となる場合や、法人を作り、そこを運営主体とする場合も考えられます。そういったことが現実できない場合には、引き続き学校の部活動を存続させながら、地域移行を模索することもある、といったガイドラインの案の考え方ですので、これと異なる考えは、現時点で持ち合わせておりません。
今回のガイドラインの案を超えて本県独自の項目として考えられるのは、地域移行が直ちに進まない最も大きな理由である指導者の確保が困難ということへの対応だと思っております。教職員の働き方改革を進めていく上でも県教育委員会としては、部活動への地域指導者の確保を進めるなどして、時間をかけて地域の指導者を育てていくことに取り組んでいきたいと考えております。その一つの時期的な目安として「島根かみあり国スポ・障スポ」が開催される2030年あたりがいいのではないかと考えておりまして、そういった話を市町村の教育長さんと意見交換をしています。
文化部については、国民スポーツ大会と直接関係はありませんが、学校内で文化部と運動部を切り分けた運用をすると、混乱を来す恐れがあることから、文化部も同じ歩調で進めてはどうかということをお伝えしております。
ガイドラインの案では、県の役割も一定程度定められており、スポーツ・文化振興担当部局に対しては、協議会の設置や方針の提示、情報発信などの役割が、教育委員会には、教職員の兼職兼業の規定の整備や運用の改善が盛り込まれています。正式に決まれば、ガイドラインに沿って、知事部局と一緒になって、進めていきたいと考えております。
今回の部活動の地域移行に関して、最も大切に考えるべきことは、子どもたちの活動を守ることだと私は考えております。少子化の進行、教職員の働き方改革など、様々な要因はありますが、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教職員との好ましい人間関係の構築を図り、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感を涵養するなど、学校という環境における生徒の自主的で多様な学びの場として続いてきた学校部活動を、時代に合った形で続けていけるように、大人が知恵を出し合い、努力して守っていきたいと考えております。そのために、知事部局、市町村、保護者、地域の方々、スポーツ・文化芸術関係団体などと連携して取り組んでまいる所存であります。
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