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県議会答弁:令和4年2月定例会(吉田議員質問分)令和4年3月1日

(議員質問)

 本県の文化財を活用した取組を推進することが必要であり、これを経済に活かした観光の方向性について、認識と所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 世代を超えて、地域に受け継がれている有形・無形の文化財は、豊かな歴史・文化を物語る貴重な財産であります。観光客にとっても、その地域独自の魅力を体験することができる観光資源であると思います。

 文化財を観光資源として活用するためには、まずは、保存・継承が重要であります。このため、県教育委員会では、県内各地の文化財について、市町村と連携して調査を行い、所在や内容の把握に努めております。そこで価値が明らかになったものは、指定・登録の手続きを進めるとともに、計画的な保存修理や後継者の育成等を支援し、保存・継承を図っております。

 そして、文化財が持つ豊かな価値や魅力を広く周知して、県民の皆様に地域の歴史文化や文化財について、興味関心を高めていただくことが必要です。このため、文化財を地域の歴史・文化と関連付けて調査研究を行い、その成果を、講座やシンポジウムの開催、古代出雲歴史博物館での展示や、オンラインの活用等により、情報発信に努めております。

 さらに、住民の方々が価値を理解し、誇りと愛着を持ち、地域と行政が一体となって主体的に取り組むことが重要であります。

 そうした地域主体の取組事例として、邑南町の久喜銀山遺跡があります。同遺跡は、町教育委員会による調査研究のみならず、地元住民が保全委員会を結成し、15年間にわたって遺跡周辺の木々の伐採、坑道入口の修復、鉱石を運搬していたトロッコの再現や、訪れた人へのガイドなど、保存・活用のため熱心に活動されたことで、今年度、国史跡に指定されました。

 私も昨年11月に、知事と一緒に現地を見てまいりましたが、大型バスで乗り付けての観光といったものではなく、遺跡に興味を持った方々が見学、学習したり、周囲に点在するその他の遺跡を巡って散策するといった、グリーンツーリズムなどを含めた観光面での活用ができるのではないかと期待をしております。

 県教育委員会としましては、今後も、文化財の掘り起こし、調査研究による価値の磨き上げや情報の発信に、引き続き取り組み、観光関係の方々とも連携してまいります。

 

 

(議員質問)

 仮想と現実の境目が益々希薄となっていく大きな変化の中で、子供たちが自分を見失わずに人として成長し生き抜いていくために、幼少期からの、やさしさや、思いやりといった非認知能力の育成がより重要になってくると考えるが、所見を伺う。

 

(教育長答弁)

 ヒトの神経機能は、4歳頃までに成人の約8割程度まで、12歳で成人とほぼ同じ程度にまで発達すると言われております。

 県教育委員会では、この神経系の発達する大事な時期に、本に親しみ、想像力や豊かな心を育む読書習慣を身に付けるため、読み聞かせを中心とした子ども読書の推進に取り組んでおります。また、体を動かすことが好きになる運動習慣づくりのきっかけとするため、多様な動きを取り入れた運動遊びを子どもたちに経験させています。これらの取組は、思いやりや協調性、好奇心やがんばる力、工夫するといった、非認知能力を伸ばすことになります。

 子どもたちにとっては、幼少期における周囲の大人の関わりが大事であります。そのため、幼児教育施設を訪問し、例えば、日頃から子どもと同じ目の高さで考え、思いを受け止めることの大切さ、遊びを通じ、自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせていくことの大切さなどについて、保護者や保育士が再認識する研修を行っております。

 これらの取組を通して、先ほど述べた力のほかにも、自制心、やり遂げる力、集中力、失敗から学ぶ力、自己肯定感、リーダーシップなどといった非認知能力を育てることが、これからの子どもたちにとって、大切でありますので、引き続き、取組を進めてまいります。

 


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