県議会答弁:令和4年2月定例会(中島議員質問分)令和4年2月24日
(議員質問)
理数教育にかける思いと具体的な取組の内容、それぞれの取組の目的について伺う。
(教育長答弁)
島根県の普通科高校生の2年進級時における理系選択者と文系選択者の割合を見ますと、文系の選択者がかなり多く、他県と比較すると、状況が大きく異なっております。
こうした状況は、理数教科の学びに興味・関心を持つことができていないこと、理数の知識や技術が、社会でどのような役割を果たしているのかを十分に知らされていないこと、あるいは、理数教科を学ぶことによって身に付く、ものの見方や考え方が、社会生活の中で重要であることがよく理解されていないことなどにより、子どもたちの将来の進路の選択肢をせばめているのではないかと考えております。
このことから、理数への興味・関心を高める働きかけを工夫したり、理数教科の教育を充実させることによって、まずは、子どもたちの選択肢を大きく拡げることが必要です。
そして、拡がった選択肢から、子どもたち一人ひとりが選んだ「夢」の実現を支援していくことが重要であると考えております。
そのために、県教育委員会では、小中学校段階から基礎学力や探究的な学びの充実に取り組む市町村を募り、大学教授などの専門家が子どもたちに直接授業を行い、「なぜだかわからないけど、すごい!」といった、驚きや発見を与える出前授業の実施、理科施設や博物館などの見学をしたり、講座に参加することで、科学の社会に果たす役割を理解する取組、大学施設等を活用した実験を体験することで「なぜ?」という疑問が、「そうか!なるほど!」という納得感ある学びにつながる体験などといった「本物に触れる」機会を通じて、小中学生の理系分野への興味・関心を高めてまいります。
そのような子どもたちが、高校に進学した際には、各高校の目標に沿った学力育成を行う「各校提案型の高校生学力育成事業」により、子どもたちの「夢」の実現に向けて支援してまいります。
また、高校での取組として、これまで、各校の学力育成の中心となる主幹教諭を普通科高校に配置してきましたが、それに加え、専門高校の生徒に対して科学的なアプローチによる課題研究を指導したり、進学指導や資格取得の指導を充実させることができるよう、数学・理科の教員の加配をしてまいります。
これからの社会は、人工知能(AI)やビックデータなどの先端技術が高度化し、予測が困難であります。そのような状況にあっても、子どもたちが、持続可能な豊かな社会を創り上げていくためには、どのような仕事に就いても、物事を、根拠を持って筋道を立てて考える「論理的な思考力」が非常に重要な力となります。
理数教育の充実により、この力を付けることこそが、進路選択の幅を拡げ、これからの社会を生きる力のもととなるものと考えております。
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