県議会答弁:令和4年2月定例会(多々納議員質問分)令和4年2月21日
(議員質問)
コロナ禍において、学びをどう保障して行くのか、家庭での学習支援など対策をどのように図っていくのか伺う。
(教育長答弁)
今般の新型コロナウイルス感染症は、これまでの季節性インフルエンザとは異なり、来年度においても、年間を通じて複数回の「感染の波」が発生するものと予測されることから、学級閉鎖や学校休業など、子どもたちの学びに対する大きな影響も、複数回生じることが想定されます。
県教育委員会としましては、感染が拡大している状況であっても、一律に臨時休業を求めるのではなく、地域の感染状況に応じた感染防止策を徹底しながら、子どもたちの学びを最大限に保障するという観点に立って対応していくこととしております。このことについては、市町村教育委員会と連携していきたいと考えております。
具体的には、学年内に必要な授業が終わるよう、特に、進学、就職を控えた最終学年においては、その準備に間に合うように終わることが必要なことから、「夏休みや冬休みといった長期休業期間の短縮をすること」などにより、早目に授業時間を確保する対応や、学習効果を高めたり、人間形成に重要であったり、貴重な思い出や体験となったりする学校行事を確実に実施するために、「学校行事の開催方法の検討や開催時期の前倒し」などについて、各学校において、検討していただきたいと考えております。
臨時休業等の措置を取らざるを得ない状況が生まれた場合においては、規則正しい生活習慣を継続するためのオンラインや電話等を使用した朝礼や健康観察、これまでの学習を補完する学習プリントなどの教材を活用した学習、1人1台端末等のICTを活用した学習など、子どもたちに寄り添ったきめ細かな対応が必要であると考えております。
その上で、地域の感染状況に応じた、分散登校、時差登校の実施や土曜日の活用といった、授業の遅れを取り戻す対応を準備しておくことも大切です。
自宅待機や個別の事情により、登校できない子どもたちには、治療が必要な状況にあっては、医療機関を受診し、静養すること、通常の生活ができる場合は、先に述べました臨時休業時と同様の対応を行い、子どもたちの学習に対する意識をとぎらせることのないよう支援すること、学校に登校できるようになった後には、他の病気等による欠席の場合と同様に、子どもたち一人ひとりの学習状況を把握しながら個別の対応を行うことなど、学習の遅れが生じないよう取り組んでまいります。
コロナ禍におきましても、子どもたちの笑顔と学ぶ意欲を維持できるよう、子どもたちにとって最善の方法を考えてまいります。
(議員質問)
今後は幅広い分野で学び直しのニーズが生まれることが予想され、学び直しが出来るリカレント教育を推進する必要があると考えるが、社会教育の視点から教育長の所見を伺う。
(教育長答弁)
私は、9月議会の答弁において『島根の各地域を支えるのは、人々の「学び」の力が源になっている。この「学び」の力をいかに持続させるか、いかに高めていくかが、社会教育の役割である。』と申し上げました。
この学び方につきましては、議員が取り上げられました、大学でのリカレント教育のほか、自己実現を目指した放送大学での履修コース、公民館での教養講座など、様々な学びの場面があります。
学びの場面をできるだけ準備することは、行政としてもその役割としてありますが、財源や人的資源にも限りがあることから、民間の学校、講座等の活用も必要であります。
社会教育の視点から申し上げれば、いずれの学び方においても、学ぶ本人が、学ぶ目的や学びの到達点、学んだことをどう生かしていくのか、といったことを、しっかりと自覚して臨むことが最も重要だと考えております。
その上で、住民の方が学んだことを地域貢献に生かせるようつなげることが必要です。地域活動を学んだり、地域活動を支えるリーダーの下で様々な力を発揮する場面を用意することが大切であり、そのことが住民の方の更なる学びへのモチベーションとなります。そして、いつかは、自らがリーダーとして、主体的に取り組んでいく環境を作っていくことも行政の役割として大切です。
リカレント教育を含めまして、住民の方の学びが、その地域に貢献できることを様々な場面で啓発していくことが、社会教育として重要であると考えております。
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