県議会答弁:令和4年2月定例会(白石議員質問分)令和4年2月21日
(議員質問)
今後教育現場のICT活用をどう進め、休校時の対応も含めて、どのように子どもの学びに生かして行くのか伺う。
(教育長答弁)
1人1台端末をはじめとするICTの活用については、まずは、授業で児童生徒への指導に効果的に活用することに最も注力すべきと考えております。
例えば、小学校理科の授業では、次のような活用方法が考えられます。植物について学習する際、子どもたちが端末を持って、植物探しに出かけ、植物の写真を撮影する。教室に帰ってから、お互いの撮影した植物の写真を見比べ、植物の共通点、相異点などについて意見を交わす。なぜ共通するのか、それは全ての植物に共通するのか、季節や、育つ環境で異なるものなのか、などの疑問をクラス全員で共有し、グループに分かれて、その疑問について図書資料やインターネットを活用して調べる。調べた内容を協働作業により、端末を使って資料にまとめていく。端末で資料を提示しながら、グループ毎に発表し、意見を交換する。各グループの発表や意見交換を通じて、考えたり、理解したことを端末を使い、文章化してまとめ、自分のものとする。授業時間内でまとまらなかった場合には、自主学習につなげる。
このように、デジタル技術を活用して、話し合いや発表といったアナログの時間を確保し、子どもたちの学びを深めるICT活用を進めていきたいと考えております。
こうした授業での活用の実践を進めながら、授業の質の充実について研究をしてまいります。
休校等により、やむを得ず登校できなくなった場合の対応として、双方型のオンライン学習のような端末活用の方法も考えられますが、通信環境の整備の問題以外にも、子どもたちの集中をとぎらせず、対面授業と同等の効果を得るためには、まだまだ、様々な工夫が必要であり、一定程度の時間を要するものと考えております。
また、子どもたちが先生や友だちに会えないことで不安になるのは議員ご指摘のとおりだと思います。これまで、休校した学校においては、オンラインでの「朝礼」や「健康観察」を行ったという事例があり、規則正しい生活習慣を維持し、子どもたちとのつながりを絶やさない効果があったとの報告を受けました。休校時のICT活用については、全体としては、このような取組を広めていくことから進め、並行してオンライン授業への対応も研究していきたいと考えております。
(議員質問)
島根が取り組んでいる魅力ある教育を今後も充実させ、加えて積極的に県内の皆様に知って頂く必要について所見を伺う。
(教育長答弁)
島根の教育の大きな特徴は、子どもたちが、人から直接学ぶことにあると私は思っております。
「人からの直接の学び」とは、今、実社会にいる人に直に触れ、直接、その人の人生や、経験・知識、その人を取り巻く社会を学ぶことができる。その人が学んで、受け継いできた自然、歴史や文化を直接教わることができる。つまり、生の「人の暮らし」に触れることができる学び、ということであります。
現在、地域住民など多様な主体が参画する「高校魅力化コンソーシアム」の取組、「ふるさと教育」や、「地域課題解決型学習」などで、多くの県民の方々に島根の教育を支えていただいております。
子どもたちには、学びに関わっていただいた方々の、生きた言葉や、実践活動を通じて、現実に社会で存在していること、起きていること、伝えられてきていることなどを実感できます。さらに、こうした体験を、学校の教科で学んだことと結び付けることで、将来、子どもたちが実社会で生きるために必要な力が育まれていきます。
同時に、この体験は、ふるさと島根への愛着や誇り、島根に住み続けたい、育った地域の将来に関わり、支えたい、という思いも醸成いたします。
こうした学びを充実させることで、結果として、卒業するときに、すぐに地域の担い手になりたいと思う子どもたちや、一旦は、県外・海外に出たとしても、将来は島根に戻ってきたいと思う子どもたちが増えていくことにつながるものと考えます。
そして、そういった思いを持った子どもたちが、自分の思いを実現していくためには、保護者の方や周囲の方々の理解や支援が必要であります。そのため、子どもたちが、どういった学びからそういう思いを持つに至ったのかを広く県民の皆様にもよく知っていただく必要があります。
県民の皆様に、島根で行われている教育をよく知っていただくため、どの様に伝えていくかを研究し、今後、実施してまいります。
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