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県議会答弁:令和3年9月定例会(生越議員質問分)令和3年9月27日

(議員質問)

 未就学児の教育について、新教育長の思いを伺う。

 

(教育長答弁)

 卓球の愛ちゃん、福原愛選手が、日本一を決める全日本選手権で大人の選手に初めて勝ったのは、小学校5年生のときでした。その後、石川佳純選手が6年生で初勝利。この記録を更新したのは、同い年の伊藤美誠選手と平野美宇選手で、4年生のときでありました。
後のオリンピックのメダリストたちは、10歳の頃に、大人の一流選手と同じレベルに達していたわけでございます。

 ヒトの神経機能は、4歳頃までに成人の約8割程度まで、12歳で成人とほぼ同じ程度にまで発達すると言われております。メダリストたちは、小さな頃、未就学児の頃から、人一倍練習をし、しかも正しい方法で練習をして、神経が発達するこの時期に、最高に伸ばした、ということだと思います。

 未就学児には、体系的な運動をする機会はあまりありません。自由に遊ばせるだけでは、同じ動きばかりになってしまいます。多様な動きを大人がさせてやる必要があります。

 そこから、体を動かす楽しさを覚え、運動する習慣をつける。思ったとおりに体を動かすことができるようになることで、継続のモチベーションになります。

 日常生活で普段しない動きをすることが、脳の発達を促します。未就学児のうちに、多様な運動をすることが好きになる、という取組を進めていきたいと考えています。

 未就学児へのもう一つのアプローチは、読み聞かせであります。小さな子どもは大人に本を読んでもらうことが大好きです。「ねぇ、この本読んで~!」同じ本を何度もおねだりいたします。読み聞かせには、いろいろな効果がありますが、私は「文章を学ぶ」ということを大切にしたいと思います。

 日本語は、述語に命があります。読み聞かせは、文末まで、語尾まで、はっきり言葉にしないと内容が伝わりません。最近の子どもの口げんかは、単語でやりあっている。でも本人たちは、本当はスタンプでやりたいと思っている。というのが笑い話ですめばいいのですが、そうならないためにも、自分の考えを自分の言葉で話す力をつけなければなりません。言葉を話す力は、まずは聞くことからだと思います。

 「読みメン」、読み聞かせをする男性でありますが、この「読みメン」を増やす取組を、10年前から始めております。家庭のみならず、幼稚園、保育所や地域での読み聞かせを増やしていく取組をさらに進めていきたいと考えています。

 未就学児から児童へ。自分で考えて、思い切り自由に遊ぶ世界から、入学した次の日には、教室で45分間、黙って座るという世界へ、子どもの環境は劇的に変化いたします。

 議員がおとりあげになった、幼児教育センターが出来て以来、幼・保・小の連携に一体となって取り組む体制ができました。学校という教育の場のスタートラインを高くし、早くスタートを切れるように、未就学児がその時期にふさわしい育ち方ができるよう、センターなどを通して、大人の役割を考えていきたいと考えております。

 


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