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報告第75号

 

(細田保健体育課長)

 報告第75号平成22年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果についてご報告する。

 この調査は平成20年度から全国調査として実施されているものである。このたび、平成22年度の調査結果がまとまったので、本県の状況についてご説明する。

 調査の概要は、子どもの体力が低下している状況に鑑み、国が今後の施策の参考とするために実施するものであり、平成22年4月から7月末までの期間に実施したものである。調査は、文部科学省が調査対象として抽出した学校の小学校5年生と中学校2年生の全児童生徒を対象として実施したもので、実技に関する調査、運動習慣・生活習慣等に関する質問紙調査及び学校の状況に関する調査が行われた。本県の調査学校数、生徒数については、資料2の1に記載しているとおりである。

 調査結果の概要は、実技に関する調査については、2の1に記載している8種目であるが、小学校は種目の合計点で男女ともに全国平均を上回り、全国ランキングで第6位という結果であった。また、中学校は種目の合計点で男子はわずかに全国平均を上回ったが、女子はほとんど差が見られず、第24位という結果であった。小・中学校とも比較的よい結果が出ているが、各学校で全校挙げての体力づくりの取り組みが行われるようになったり、「しまねっ子元気アップ」シリーズとして子どもたちが積極的にかつ楽しく運動する機会を持てるような取り組みを進めてきた効果が少しずつ実を結んでいるのはないかと考えている。

 種目別の結果については、2の2のとおりであり、これを分かりやすくまとめたものが2の4の表である。小学校については、男女ともに全国平均と比べて同じか上回る状況である。男子では20メートルシャトルラン、女子では20メートルシャトルランとソフトボール投げで特に上回るという結果であった。中学校についても、全国平均と比べて同じか上回る種目がほとんどであるが、男子では長座体前屈と上体おこし、女子ではハンドボール投げ、長座体前屈、上体おこしで下回る結果であった。また、下の表では昭和60年との比較を示している。小・中学生でそれぞれ比較可能な4種目についての結果を示しているが、小学校男女の反復横跳びが特に上回り、中学校男子50メートル走が同じという結果であったが、それ以外の種目については、やはり親の世代より劣っているという結果である。特に握力、ソフトボール投げ、ハンドボール投げなどは親世代の9割程度とか、9割を切るような数値になっている。

 次に2の2に戻っていただき、本県の児童生徒の体格と肥満度に関する調査結果の表をご覧いただきたい。体格については、指標をご覧いただくと分かりやすいと思う。小学校男女及び中学校男女は平均並みであるが、強いて言えば中学校男子の体重がわずかに下回っているという結果になっている。同じ表の右の方に肥満傾向が全国と比べてどうかということを示している。本県の小学校男女及び中学校男子については、正常の範囲の児童生徒が多いという結果になっており、中学校女子については、やせの割合がわずかに高いという結果が出ている。

 2の3をご覧いただきたい。これは生活習慣や運動習慣を調査した結果を取りまとめたものである。まず、生活習慣の状況ということで、朝食の有無、睡眠時間、テレビの視聴時間などを調査したところだが、朝食の摂取及び睡眠については、本県の児童生徒は全国と比べると非常に好成績であり、しっかり眠って、きちんと朝食を食べて登校しているという状況が窺える。テレビの視聴時間については、3時間以上視聴する者が全国に比べて少ないということで、特に中学校などでこの傾向が顕著であるが、「早寝早起き朝ご飯」、「ノーテレビ」など、様々な生活習慣改善の取り組みの成果が現れてきているのではないかと考えている。

 最後に運動習慣の状況について、運動部やスポーツクラブに加入している割合は、小学校男女及び中学校男子はかなり高い割合であるが、中学校女子の割合が低いという傾向が見られる。また、毎日運動しているかどうかといった運動の実施状況についての調査も行っているが、小学校、中学校ともに全国とほぼ同じ状況である。更に、その運動を平日のどの時間帯で行っているかについては、本県では全国に比べて、小学校では始業前に運動する児童が少なく、中学校では昼休みに運動する生徒が多いという傾向が見られる。なお、小学校の放課後の数値が100パーセントを超えているが、この項目は放課後と下校後の2つを合算したものであるので、ご了承いただきたい。

(渋川委員)

 握力が弱いというところが気になった。昭和60年と比べて特に下回るということであるが、この原因について何か思い当たるところがあるか。

(細田保健体育課長)

 どうして握力だけが弱いのかということはちょっと分からないが、島根県の子どもたちは、筋力が低いというデータがあり、小学校の段階から生活の中で重いものを持ったり、運んだりする機会を意図的に入れていく必要があるのではないかと分析している。

(土田委員)

 調査対象学校数と児童生徒数を見ると、小学校は平均20数名、中学校は平均50数名ぐらいとなるが、文部科学省が学校を指定するという形なのか。

(細田保健体育課長)

 学校名を指定するわけではなく、例えば中規模程度のところで何校といったような形である。

(土田委員)

 それを受けて学校は県で指定されるということか。

(細田保健体育課長)

 そうである。

(山本委員)

 調査結果を見ると、いろいろなデータが出てきており、結果的にいいものと悪いものがあった訳であるが、この結果について、例えばスポーツ振興審議会のような場で検討し、来年度以降に活かしていくような考えはあるのか。

(細田保健体育課長)本県としても、この結果を基にどのような取り組みをしていけばよいか、施策の参考とすることとしており、お話しにあったようにスポーツ振興審議会へも報告し、意見をいただくことになっている。

(今井教育長)

 握力が弱いので、握力をアップするためにこういう授業をするといったように、現場での具体的な取り組みは考えられないか。

(細田保健体育課長)

 例えば、登り棒を登っていくとか、鉄棒に取り組むなど、各学校の体育の先生方にそういうところを補っていくような授業をお願いしたいと考えている。

(今井教育長)

 各学校には結果を詳しく周知し、今後にどう活かすかということをしっかり検討して欲しい。

 

 


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