報告第4号
(卜部文化財課長)
報告第4号加茂岩倉遺跡出土銅鐸の国宝指定についてご報告する。
3月21日、国の文化財審議会より文部科学大臣に対し、加茂岩倉遺跡出土銅鐸を国宝に指定するよう答申があった。
加茂岩倉遺跡出土銅鐸の概要だが、全部で39口出土しており、所有者は国である。指定された理由は、これまでに知られている中で最多の39口の銅鐸が1カ所で出土したこと。中型銅鐸の中に小型銅鐸を組んで、入れ子で埋納しているという状況が初めて確認されたこと。39口の銅鐸の中には同じ鋳型でつくられた同笵銅鐸、いわゆる兄弟銅鐸がたくさんあり、各地の同笵品の分布等を考えると、銅鐸の製作、移動を考える上で重要な知見をもたらしたこと。また、同種の銅鐸のうちのいくつかは絵画がかかれているわけだが、その中の銅鐸については、今まで畿内で出土している畿内産の銅鐸とは異なる図様を持つものが含まれており、これが出雲産ではないかと指摘する向きもあるわけである。こういう銅鐸は弥生の社会を知る上で非常に重要なものだということで、このたびの指定になったものである。
国宝指定の銅鐸については、今まで3件で20口の銅鐸が国宝指定になっている。今回の答申により国宝の銅鐸が59口になった。そのうち島根県の出土品が45口を占め、銅鐸大国のような格好になったわけである。直近では荒神谷遺跡出土品が国宝指定になっている。
既指定、今までに指定されている県関係の国宝は、神魂神社本殿、出雲大社本殿、出雲大社所有の秋野鹿蒔絵手箱、日御碕神社所有の白糸威の鎧、そして荒神谷遺跡出土品。今回の加茂岩倉で合わせて6件となる。
先ほど述べたように加茂岩倉遺跡出土銅鐸の所有は国だが、現物は古代出雲歴史博物館に貸与を受け展示をしている。
(七五三委員)
国宝に指定する文部科学大臣の答申がなされたわけだが、正式に登録されるのはいつか。
(卜部文化財課長)
5月頃であり、正式には官報により告示される日である。
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