報告第1号
(河原高校教育課長)
報告第1号平成20年度島根県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果の概要についてご報告する。
結果の概要としてまず、基礎的、基本的な事項については中学校での学習成果が現れ、ほぼ定着しているが、題意を的確に読み取って理解する力や、論理的、総合的に考えて表現、処理する能力がやや不足する点もあった、というのが全体の傾向である。
本日のところは結果の概要についてご報告し、6月中旬に本年度の学力検査の結果と反省として、さらに詳細な分析等を行い、結果を各中学校、高等学校へ配付する予定にしている。まず、全体の状況、平均点等についてだが、5教科の平均点、平成20年度は273.7点であり、昨年度に比べ25.2点低下している。この一番大きな原因は、教科別に見ていただくとわかるが、数学が17.7点昨年より下がったということである。教科別に見ると、理科のみが昨年より5.1点上回っているものの、他の4教科については低下し、その中で特に先ほど言った数学が大きく低下した。数学が非常に低い平均点になったわけだが、特に例年第1問題に基礎的、基本的な問題を出しているが、その中で特に図形の問題についてやや複雑な形の絵、内容的には実はそう難しいわけではないのだが、図がやや複雑であったということもあって、第1問題で正答率が低下したというところがある。
また、読解力を問うような問題、文章を読んでそのことを式に表すといった問題を出したところ、正答率が低かった。以上により、平均点がかなり下がったと考えている。続いて、得点の分布だが、国語、社会、理科については、ほぼ例年どおりの正規分布に近い形をしているが、英語については、過去数年そうであるが、どちらかというと2つの山があるような形、高得点者、それから低得点者という形になっていて、学力差があるということがうかがえる。なお、数学については、先ほど申し上げたように、平均点が低く、50点以上の得点者が大幅に減少して山がかなり左の方に行ったという状況になっている。総得点分布については、平均点が下がったということに伴って上位者のところが例年に比べ減少し、特に400点以上がかなり減っており、昨年8%であったものが4.9%となっている。
今後さらに詳細な分析を行い、6月に中学校及び高校に対して結果を配布する。あわせて、中学校や高校からもいろいろな御意見をいただいているので、それらも参考にして来年度の問題作成に当たっていきたいと考えている。
(山根委員)
学力検査に対する調査結果で、数学について中学校は内容の程度がほぼ適当としているのに対し、高校は63%がもっと下げるべきだとしている。この違いをどう捉えているか。
(河原高校教育課長)
先程も申し上げたように、実際にはそう難しい問題ではないのだが、図形の問題で少しだけ複雑になっている、線が1本多くなっているといったことによって、中学生は戸惑ったということがある。中学校の先生は、そんなに問題のレベルは上がっていないと恐らく思われたのだと考えている。高校の方は、問題を見るというよりも実際に採点業務に携わっているので、平均点が去年に比べかなり下がっているということから問題のレベルをもっと下げるべきという判断が多かったのではないかと考えている。それからもう一つは、高校や学校種等によってはかなり平均点が低い学校も出ているので、そういった学校からは内容の程度をもっと下げてほしいという意見が多かったというように思っている。
(北島委員長)
各学校別の得点データも出していると思うが、それが公表されることはないのか。というのは、願書を出すときにボーダーラインあたりの人が結構迷うのではないかという気がする。ただ、一方で公表し出すと切りがないような気もするし、学校によってのレベルづけがされるのは余りいいことではないような気もするが。
(石井委員)
高校入試の得点だけで合否を決定しているわけではなく、内申と入試の比率は学校ごとに様々であるので、入試の得点だけを公表してしまうといろいろな支障が出ることが考えられる。全県の傾向を発表することに留め、各学校別のことは、中学校の先生方の指導の中で工夫していかれればよいと思う。
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