多伎・朝山道路が開通/つながる山陰道
山陰道の多伎・朝山道路(9キロ)が今年3月に開通し、県内に整備される山陰道(約194キロ)のうち、開通区間は全体の3分の2を超える130キロになりました。
昨年開通した朝山・大田道路とつながったことで、県内の交通・交流がさらに充実しています。
3月に開通した多伎・朝山道路(国土交通省松江国道事務所提供)
多伎・朝山道路の開通によって、国道9号にある急カーブや急勾配が連続する交通の難所「仙山峠」を回避することができるようになりました。
これにより、交通事故の減少、救急搬送時の時間短縮や患者への負担軽減等の効果が期待されるほか、災害時の代替道路としての役割も担い、県民生活の安全・安心につながります。
また、今回の開通によって、出雲部と石見部をよりスムーズに行き来することが可能となり、広域観光周遊や観光コースの拡大が期待されています。
観光振興へ・山陰道の早期全線開通を期待
石見ワイナリー取締役総支配人・杉村一弘(すぎむらかずひろ)さん
石見ワイナリー(大田市三瓶町)は、雄大な三瓶に多くの人が訪れ、地域の活性化につながればとの思いで昨年4月に開業しました。今年7月には「森のレストラン」のオープンも予定しています。
ワイナリーにはこれまでに4万人を超える方にお越しいただいています。半数は山陽方面からで、出雲大社や松江城、浜田、益田方面の観光施設を巡りながら来られる方が多いです。「三瓶の自然でリフレッシュでき、魅惑的なワインにも出会えました」と好評ですが、中には「アクセスが良ければもっと来られるのに」という声も聞きます。
現在の山陰道は、鳥取県や山口県方面から来ると何カ所も途切れていて、そのたび国道9号に降りなければなりません。東西に長い島根県で横のラインである山陰道がつながれば移動時間が短縮され、三瓶にもスムーズに来てもらえます。島根全域を満喫できる観光プランも可能になりますし、山陰道の早期全線開通を心待ちにしています。
一般県道・浅利渡津線全線開通
山陰道の多伎・朝山道路の開通と同時に、一般県道浅利渡津線(4.6キロ)も全線開通しました。江津地域拠点工業団地(江津市松川町)から国道9号江津バイパスを経由し、山陰道・江津インターチェンジへのアクセスが可能に。江津市街地から東方約5キロの丘陵地にある同団地の産業基盤の強化が図られるとともに、山陰道や浜田道を経由し、山陽圏や近畿圏をより身近にする走行性の高いネットワークが構築されています。
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