若興人(わこうど)益田「中世の食」再現プロジェクト(益田市)
若い力を結集し、ふるさとの未来を切り拓く若者たちを紹介します
「歴史ある益田に住民が誇りを感じられるように」
試食会の予行練習をする益田「中世の食」再現プロジェクトのメンバー=萬福寺(益田市)
平安末期から戦国時代までの約400年間、益田を本拠地とした石見最大の武士団・益田氏。そのゆかりの料理を通じて地域の歴史にスポットを当て、町おこしに取り組んでいるのが『益田「中世の食」再現プロジェクト』だ。
造り酒屋や豆腐製造など食品関連の若手自営業者を中心に、平成20年8月に発足した。「味わう体験を交えれば、市内に残る中世益田氏ゆかりの寺院や文化財が、さらに魅力的な観光資源になるのではないかと考えた」と右田隆(みぎたたかし)代表は話す。
中世の食に詳しい研究者の協力を得て、毛利元就をもてなした祝宴に関する益田家の古文書から料理を研究。魚のすり身を使った「はむ」(はんぺん)や、とろりとした甘みの強い中世の酒、調味料などを復元した。
復元した料理は、益田氏ゆかりの萬福寺や妙義寺などで催す試食会で披露しており、一昨年からは広島方面からの観光ツアー客を呼び込むのにも一役買っている。今年2月26日に開催される「歴食JAPANサミット第2回大会in益田」では、メーン企画への参加が決定。地域の歴史に関係する食として来場者に振る舞う予定だ。活動の拡大にともなって「おもてなし女子プロジェクト」を組織し、料理の用意や説明を担う人材の育成も始めている。
「県外客が益田の歴史や文化に興味を持ってくれることは、市民にとって自信になる。ふるさとに誇りを持ち、次世代に受け継いでいきたい」と右田さん。地元小学生へのふるさと教育にも積極的にかかわり、料理を振る舞いながら歴史あるふるさとの素晴らしさを伝えている。
プロジェクトが復元した調味料「いりざけ」
再現した「中世の食」
料理の支度をする「おもてなし女子」
萬福寺で開催した試食会
VOICE
益田「中世の食」再現プロジェクト代表
右田隆(みぎたたかし)さん
文献からは、当時の益田が海洋貿易で繁栄していたことがうかがえる。その歴史は市民が誇るべきもの。現代にも伝わる歴史的資源を食と融合させながら、地域の価値を伝えていきたい。
●問い合わせ先
益田「中世の食」再現プロジェクト事務局(有限会社真砂)(TEL:0856・26・0775)
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp