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メード・イン・しまねの底力Vol.7

石州半紙(ばんし)〔石州半紙技術者会〕

ユネスコ無形文化遺産の石州半紙の写真
ユネスコ無形文化遺産の石州半紙

 

 

石州半紙を縦揺りだけですき上げる様子の写真
縦揺りだけですき上げるのが石州半紙の特徴

 

1300年の歴史誇る技術

浜田市三隅町ですき続けられている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「石州半紙」。石見地方で受け継がれてきた世界に誇る手すき和紙だ。寛政10(1798)年発刊の書物に「慶雲(けいうん)・和銅(わどう)〔704〜715年〕のころ、柿本人麻呂が石見の国の守護で民に紙すきを教えた」とあり、約1300年の歴史を誇る。

石州半紙は地元の良質なコウゾのみを原料に使う。「すき舟」と呼ばれる水槽の中に入れた原料を「簀桁(すげた)」ですくい上げ、「縦揺り」と呼ばれる前後に動かす動作だけですく。コウゾの甘皮も一緒にすき込むため、繊維が強固に絡み合い、和紙随一の強さを誇る。石見地方の和紙づくりは江戸時代から盛んになり、明治時代は約6000戸が携わる一大産業となった。


無形文化遺産再登録で再脚光

石州半紙は平成21年に、ユネスコ無形文化遺産に登録。平成26年には「和紙日本の手漉(てす)き和紙技術」として再登録され、再び脚光を浴びている。

石州半紙の情報発信拠点で、和紙製品を販売する「石州和紙会館」の来館者数は再登録前の2倍に増え、売り上げは3倍に伸びた。無形文化遺産への再登録を機に石州半紙を知り、使ってみようと、同会館には個人を中心に電話による石州半紙の購入申し込みが相次ぐ。また、人気漫画の木版画にも使われるなど、異業種連携も生まれている。

現在、石州半紙をすくのは同町古市場地区にある石州半紙技術者会の4工房のみ。後継者育成や原料確保、販路開拓と石州半紙を巡る課題は多い。「旧来のやり方をただ続けるだけでは、伝統は守れない」と石州半紙技術者会の西田誠吉(にしだせいぎ)事務局長。各工房が伝統技術の上に、個性を生かした製品を生み出し、石州半紙の歴史に新たな層を重ねる。

 

 

石州和紙会館の館内写真
石州和紙会館の館内

 


『石州和紙会館』

浜田市三隅町古市場589(三隅中央公園内)
TEL:0855・32・4170
http://www.sekishu.jp(外部サイト)
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)

 

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