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韓国咸平(ハンピョン)中学校「歴史クラブ」の3年生からの手紙について

 

 島根県の中学校の地理担当の先生方に届いた、「歴史クラブ」に所属する3名の生徒からの手紙には、「最近残念な話を聞いた」として、「新しい学習指導要領で、日本政府は独島を日本の固有の領土だと表記した」「日本政府がうその主張をしている」「学校で小学生と中学生に間違った事実を教えている」という話を聞いたと述べられている。

 また、「日本帝国主義が露日戦争中に、戦争遂行を目的に編入し、一番最初に占領した土地が、この独島です」と綴り、さらに「日本政府は近代以前にも独島が日本の領土だったと強引に主張していますが、これは事実とは異なります」とし、その根拠として「近代以前の多くの文書と地図では、日本政府が発刊した文書は地図でさえ、独島が韓国の領土であったことを証明しています。これは、少し関心を持って資料を探してみれば簡単にわかる事実です」と述べている。

 その上で、「先生方は独島と関連する歴史的事実をよく知らない日本の生徒たちに正しい歴史を教えていただくようお願いします」「日本政府が歪曲して主張していることだけを受け入れるのではなく、実際の歴史に近づく努力をしてください」と述べている。

 そして、手紙の終わりを、「韓国と日本の未来の世代である生徒たちが正しい歴史を学び、これを通して両国間の不幸な歴史を清算し、相互協力の明るい未来を開いていくことを私たちは希望しています」と結んでいる。

 この手紙の内容は、まさに「竹島問題」に関する韓国政府の主張そのものであり、「うその主張」、「間違った事実」、「強引な主張」、「歪曲して主張している」など一方的な決めつけに終始している。是非とも、「竹島問題」に関する日韓両国の主張やその根拠について、自分自身の眼で冷静に比較検討し、今一度考えてみていただきたい。

 島根県では、既に「竹島問題」に関する独自の教材や資・史料を作成し、それらを用いて県内のすべての学校で「竹島問題に関する学習」が行われている。その中で、児童・生徒の発達段階に配慮しつつ、日韓両国の主張やその根拠にも触れながら学習が進められている。また、島根県教育委員会は、「領土問題を平和的に解決し、関係国との真の友好関係を築いていける子供の育成の一助となること」を願って、『領土に関する教育ハンドブック』を作成し、先生方に配付している。

 今回の韓国の中学生の手紙は島根県の中学校の先生に宛てたものであったが、日本の中学生も独善に陥ることなく「竹島問題」の理解に努め、日韓の次代を担う若者が交流を深めて、「相互協力の明るい未来を開いていく」ことを心から期待している。

 

佐々木  茂(島根県竹島問題研究顧問)


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