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2012(H24)年 <  2013(H25)年 年報    > 2014(H26)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
全数把握週報(インフルエンザ・小児科・眼科・基幹定点)月報(STD・基幹定点)精度評価疑似症
1.発生状況の解析と評価 |精度評価
10)島根県感染症発生動向調査の精度評価:表17、図13〜16
 サーベイランスの精度評価は、2008年度の年報に記した理由により、突発性発しんと水痘の報告件数、さらに出生数を考慮しておこないたい。
 突発性発しんは、年次と季節による変動が小さく、モニターとしての適性が立証されている。水痘は不顕性感染がなく、予防接種がなければ、年間発症者数は地域の出生児数に近似するとされる。わが国では、ワクチン不全も考慮し、年間出生数の80〜85%程度が罹患すると推定される。定点のあり方に関する決まりはないが、定点当りの報告数が出生数と連動することを理想とするのが現実的であろう。
 なお、2014年秋から水痘のワクチンは定期接種化が予定されているので、水痘をモニター疾患とできるのは、本年までとなる。
(1)全県の精度
 島根県の出生数は、2003年から2005年(A)の平均6,050人を1とすると、2010年〜2012年(B)は平均5,521人、比率0.91であり、2013年は5,380人、比率0.89である。
 突発性発しんの、期間(A)の平均941件を1とした場合、これに対する期間(B)の平均は765件、比率0.81であり、2013年は752件、比率0.80であった。
 水痘の、期間(A)の報告数の平均は1,838件を1とすると、期間(B)の平均は1,703件、比率0.93で、2013年は1,429件、比率0.78であった。
 ○2013年は、突発性発しん、水痘ともに、2012年までの3年間に比べ、出生数の低下率以上に報告件数が低下した。注意して見守りたい。
 突発性発しんの出生1万人に対する期間(A) の平均1,560件を1とすると、期間(B)は平均1,387件、比率0.89で、2013年は1,398件、 比率0.90である。
 水痘の出生1万人に対する期間(A)の報告数の平均3,046件を1とすると、期間(B)は平均3,082件、比率1.01で、2013年は2,656件、比率0.87であった。
 ○出生1万人当りの報告数の比率は、概ね1.0近くに保たれている。
 まとめ:県全体の精度は概ね良好である。
(2)地区別の精度
 出生数の期間(A)の平均は東部(隠岐を含む)2,373人、中部2,024人、西部1,653人であり、これらをそれぞれ1とすると、期間(B)の平均実数の比率はそれぞれ東部で0.93(平均実数2,198人)、中部で0.93(平均実数1,874人)、西部で0.88(平均実数1,449人)であった。2013年の比率はそれぞれ、東部で0.91(実数2,157人)、中部で0.92(実数1,864人)、西部で0.82(実数1,359人)である。出生数の減少率は西部で大きい。
 突発性発しんの期間(A)の報告件数の平均は東部365件、中部350件、西部226件であり、これに対する期間(B)の報告件数の平均実数の比率は東部で0.89(平均実数:324件)、中部で0.71(平均実数:249件)、西部で0.85(平均実数:192件)であった。2013年の比率は、東部で0.89(実数:324件)、中部で0.75(実数:263件)、西部で0.73(実数:165件)であった。
 水痘の報告件数の期間(A)の平均は、東部679件、中部573件、西部587件、これに対する期間(B)の報告件数の平均実数の比率は、東部で1.02(平均実数;:689件)、中部で1.00(平均実数:571件)、西部0.75(平均実数:443件)であった。2013年(H25)年の比率は、東部で1.11(実数:752件)、中部で0.63(実数:360件)、西部で0.54(実数:317件)であった。
 東部は出生率の低下と同様若しくは出生率の低下に勝る件数であり、精度は良好であった。中部は水痘の他は、近年より大きい低下がみられ注意を要する。西部は2013年の水痘の他は出生数の低下と類似した。
 突発性発しんの出生1万当りの期間(A)の平均件数はそれぞれ、東部1,555件、中部1,734件、西部1,367件であり、これに対する期間(B)の報告件数の平均の比率は、東部0.95(平均実数:1,473件)、中部0.77(平均実数:1,334件)、西部0.97(平均実数:1,332件)であった。2013年の比率は、東部0.97(実数:1,502件)、中部0.81(実数:1,411件)、西部0.89(実数:1,214件)であった。
 水痘の出生1万当りの期間(A)の平均件数は、東部2,884件、中部2,835件、西部3,557件であり、これに対する期間(B)の報告件数の比率の平均は、東部1.09(平均実数:3,317件)、中部1.07(平均実数:3,041件)、西部0.86(平均実数:3,050件)であった。2013年の比率は、東部1.21(実数:3,486件)、中部0.68(実数:1,931件)、西部0.66(実数:2,333件)であった。
 東部は両疾患とも1.0に近似し、良好であった。
 中部は近年の水痘の他は低下し、注意したい。
 西部は出生数の低下から、精度のある程度の低下は避け難いことを考慮すると、2013年の水痘の他は、良好と言える。
 まとめ:中部で精度の低下傾向が示唆される。
患者数幼児人口と報告患者数
地区別の患者数推移地区別の患者数推移
表17 出生数又は幼児人口に対する報告患者数
(全県)
 出生数幼児人口出生1万人当たり幼児人口10万人当たり
(出生6年
間合計)
突発性
発しん
水痘総報告数報告数※1
(疾患除去)
1993708146419164131324516320860
1994707444970152726753440316295
1995659943413157330255950519999
1996706842722137726683627617654
1997682842040135227114256216227
1998649241142128524314191616210
1999682740888115323704553214124
2000651440328104529404734216381
2001659040319123724163358214795
2002642339674115526343607116681
2003622039066123825795507116173
2004601538589181731174913817922
2005591537677162534426642520102
2006601137174136435887259428571
2007593836522148231696869623063
2008572035819160327626002118183
2009561535214143029769789317953
2010559534794125634126400823918
2011557834457140028528565232757
2012539033836150629837410719828
2013538033278139826568435625188
※1 総報告数から、インフルエンザ及び感染性胃腸炎の報告件数を除いた件数
(東部:隠岐圏域を含む)
 出生数幼児人口出生1万人当たり幼児人口10万人当たり
東部(出生6年
間合計)
突発性
発しん
水痘総報告数報告数※1
(疾患除去)
1993267017179182837003937919087
1994266816712149619602618514163
1995248616166156127034983918124
1996263916007125423682773815118
1997260115826141523223319914495
1998253015594137223563485313146
1999252915453103220173396111519
20002543153288301754364699982
20012631154737911429211599365
200224741530885318192456911772
200324831519076119904137612120
2004234215002199828484777417338
2005229414767190538146746121948
2006231114535173147738135534682
2007239514299180431658264226114
2008236514190194137977215620324
20092274139811649352711110119434
2010219613835143934888065829967
2011221513756148129488858733571
2012218213627149929747954817862
2013215713389150234869062725947
※1 総報告数から、インフルエンザ及び感染性胃腸炎の報告件数を除いた件数
(中部)
 出生数幼児人口出生1万人当たり幼児人口10万人当たり
中部(出生6年
間合計)
突発性
発しん
水痘総報告数報告数※1
(疾患除去)
1993266017601176731323742421368
1994265717074127621532102014349
1995248016434140727823686913423
1996275216190133715702000610809
1997255415888110823812519514395
1998216515268107220602473113604
1999212214730133421353203712661
2000222114294109428053917013509
2001218413998142929353261215288
2002217713423121328714118320510
2003206512934155425625774717040
2004198312752202232934974118648
2005202312653162626506087917498
2006208412516135831337044629195
2007199012322163330606822827406
2008203012175142418425639420444
2009190212012147726559336519306
2010187611905111934175527922629
2011194311825130230118662235366
2012180411545158026946327420528
2013186411419141119317497227227
※1 総報告数から、インフルエンザ及び感染性胃腸炎の報告件数を除いた件数
(西部)
 出生数幼児人口出生1万人当たり幼児人口10万人当たり
西部(出生6年
間合計)
突発性
発しん
水痘総報告数報告数※1
(疾患除去)
1993175111639121128045127617648
1994174911184195545576711422452
19951633108131843388210836032794
1996167710525163449437429032038
1997167310326162638198363421702
1998179710280141929837815224728
1999174310272139437588421020736
2000175010273129748347693030614
2001177510415166232395473822813
2002177210510150734824778319629
2003167210509155534757384121629
2004169010402132532845241318621
2005159810257122039117177520659
200616161012384824816266919026
20071553990179233164913613251
200814909619113420674568011852
200914399386102225308229313701
201015239219116232964914816075
201114209041140824867835427508
201214048829142533697849121577
201313598635121423338543120834
※1 総報告数から、インフルエンザ及び感染性胃腸炎の報告件数を除いた件数
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