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2008(H20)年 <  2009(H21)年 年報  > 2010(H22)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
ウイルス検査情報細菌検査情報流行予測検査
1.病原微生物検出情報 |検出状況表18疾患別表19月別表20検体別表21地区別表22年推移表23累計図15
1)ウイルス検査情報
 感染症発生動向調査事業にともなう感染症流行とその病原体の確認調査を行うため、2009年1月から12月の間(2009年5月22日〜7月17日の約2か月間は新型インフルエンザ検査対応のため調査を中止した)に県内の病原体検査定点が採取した13疾患群928検体の患者材料について検査を実施した。これらの患者材料は県下の小児を中心とした感染症の原因となるウイルスの流行状況を反映しているものであり、咽頭炎をはじめ、インフルエンザ、感染性胃腸炎、手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナ、無菌性髄膜炎等の疾患についてウイルスの検出を行った。
 また、本年度から呼吸器感染症の検査の充実を図り、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ライノウイルス、パラインフルエンザウイルスを新しく検査項目に加えた。

(1)疾患別ウイルス検出状況(表18)
 検出されたウイルスは表18に示すように17種類575例、これを血清型で分類すると31種類となった。
 以下に感染症発生動向調査の把握疾患のウイルス検出状況について述べる。
・インフルエンザ(疑いを含む)
 561検体から11種385例のウイルスが検出された。
 インフルエンザウイルス370例には、2009/2010シーズンの7月から12月の間に検出した新型インフルエンザ(AH1pdm)の167例が含まれている。2008/2009シーズンの1月から5月の間に検出した型は、流行の主体となったインフルエンザウイルスAソ連型(AH1)が119例、流行中期から検出されたインフルエンザウイルスB型、及びインフルエンザウイルスA香港型(AH3)が各42例、計203例あった。
 その他に、アデノウイルス2型及びヒトメタニューモウイルスが各3例、コクサッキーウイルスB2型、単純ヘルペスウイルス、パラインフルエンザウイルス1型及びライノウイルスが各2例、RSウイルスが1例の計15例が検出された。
・咽頭結膜熱
 本疾患がほとんど流行しなかったことから検体も10検体と少数で、起因ウイルスであるアデノウイルスは3例検出されたのみであった。内訳は1型、2型及び5型が各1例であった。
・手足口病
 本疾患は夏季に小規模な流行があったが、新型インフルエンザ検査対応で本調査を中止していたため、検体は18検体しかなかったが、それら検体から3種類のウイルス11例が検出された。
 検出されたウイルスは、コクサッキーウイルスA6型が5例、A10型及びエンテロウイルス71型が各3例であった。また、ここ数年流行していたコクサッキーウイルスA16型は検出されなかった。
・ヘルパンギーナ
 今年の夏季に小規模な流行が起こったが、検体数は20検体と少数であった。
 検出したウイルスは5種類17例で、主に検出されたウイルスはコクサッキーウイルスA10型の11例であった。
・無菌性髄膜炎
 本疾患は2007年に出雲圏域で主にエコーウイルス30型による流行が起き、2008年に同圏域で主にエコーウイルス18型及びコクサッキーウイルスB2型による流行が起こったが、本年は例年と比較し流行も小規模であったことから検体数も22検体と少数であった。検出されたウイルスはコクサッキーウイルスB2型及びエコーウイルス11型の各2例のみであった。
・感染性胃腸炎
 146検体の内100検体からウイルスが検出され、調査した疾患の中で最も多種類のウイルスが検出された。
 主なウイルスは、ノロウイルスG2の47例、A群ロタウイルスの33例、ノロウイルスG1の8例であった。
(2)月別ウイルス検出状況(表19)
 2009年5月22日〜7月17日の約2か月間はこの調査を中断していることから、年間を通してみることは困難であるが、コクサッキーウイルスA群、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルスがほぼ年間を通して検出されている。
 また、感染性胃腸炎の起因ウイルスであるノロウイルスは冬季に、ヘルパンギーナの主な起因ウイルスとなったコクサッキーウイルスA群は夏季から秋季に、季節性インフルエンザウイルスは1月から4月の間に、新型インフルエンザウイルスは7月から12月の間に主に検出された。
 以下に代表的なウイルスについて月別の検出状況をについて述べる。
・アデノウイルス
 1型、2型、5型の3種類血清型がほぼ年間を通して検出されている。また、咽頭結膜熱からの1型、2型及び5型は、本疾患が多発する夏季を除く時期に多数検出されており、咽頭結膜熱の季節性は薄れてきている。
・コクサッキーウイルスA群
 春季から秋季に流行したヘルパンギーナと夏季から晩秋に流行した手足口病から主に検出され、ヘルパンギーナから主に検出された血清型10型は7月から9月に、手足口病から主に検出された血清型6型は8月から9月に流行した型である。
・コクサッキーウイルスB群
 例年インフルエンザ、無菌性髄膜炎及び熱性疾患等の多種類の疾患から検出されるウイルスであるが、今年は本ウイルスによる大規模な流行がなかったため検出例数は少数であった。
 月別流行状況は、2型が2月に、3型が10月と11月に、4型が7月と8月及び11月に検出されている。
 また、疾患別では7月に熱性疾患から4型が、10月に髄膜炎から4型が検出されている。
・エコーウイルス
 9型が2月と4月に、11型が2月、3月及び9月に、30型が3月に検出されているが、本年はエコーウイルスの流行が小規模であったことから検出数は少数であった。
 また、疾患別では2月と3月に無菌性髄膜炎から11型が検出されている。
・インフルエンザウイルス
 2008/2009年シーズンの島根県の流行は2008年第45週(11月上旬)に患者定点から最初の患者報告があり、年を明けた2009年第22週(5月下旬)頃まで流行は続いた。 
 型別では、2008年11月に先行して流行したA香港型(AH3)が検出され始め、2008年12月には2008/2009年シーズンの流行の主流であったAソ連型(AH1)が、さらに加えて2009年1月にはB型が検出され始めたため、1月から4月の間は3つの型が検出された。2009年5月上旬にA香港型がシーズン最後に検出されて以降、季節性インフルエンザは検出されなくなった。
 その後、2009年6月30日に県内で初めて新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)が患者から検出され、その後年末まで新型インフルエンザウイルスのみが検出される状況が続いたが、この間に季節性のインフルエンザウイルスが検出されることはなかった。
・下痢症関連ウイルス
 ノロウイルスは冬季のウイルス性感染性胃腸炎の主な原因ウイルスである。従って、ノロウイルスG1型が2月から5月と10月と11月に、G2型は1月から4月と11月から12月に検出されている。
 A群ロタウイルスはノロウイルスの流行が終息する3月から5月と10月に検出されたが、多く検出されたのは4月であった。
 また、この他にサポウイルス、コクサッキーウイルスA群、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルス、エンテリックアデノウイルスが検出されているが、検出数が少数なため季節性は分らなかった。
(3)検査材料別ウイルス検出状況(表20)
 適切な検査材料と採取時期が感染症の病原体診断のために重要な要素である。現在、定点医療機関において呼吸器系感染症は咽頭拭い液を主体に糞便を補助的に加え、胃腸炎症状は糞便、髄膜炎症状では脊髄液、咽頭拭い液、糞便、そして水疱を伴う発疹症は水疱液、咽頭拭い液、糞便、眼疾患では結膜拭い液、咽頭拭い液等の検査材料を採取してもらい検出を行っている。
 以下に材料別のウイルス検出状況を示す。
・咽頭拭い液
 検体の中で最も多く343検体が病原体定点から送付され、180検体(52.5%)からウイルスが検出された。主にされたのはインフルエンザウイルスの131例で、その内訳は新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)が70例、Aソ連型(AH1)が25例、A香港型(AH3)が22例、B型が14例であった。この他に咽頭結膜熱等の起因ウイルスとなったアデノウイルス6例、主にヘルパンギーナ、手足口病の起因ウイルスとなったコクサッキーウイルスA群が25例、髄膜炎等の起因ウイルスとなったコクサッキーウイルスB群が5例検出された。
・鼻腔拭い液
 新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)が流行したことで鼻腔ぬぐい液の検査数は例年より多かった。検体数は120検体で、38検体(31.7%)からウイルスが検出された。主に検出されたウイルスは新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)の13例、インフルエンザウイルスAソ連型(AH1)の11例、 ヒトメタニョーモウイルス及びインフルエンザウイルスB型の各5例であった。
・鼻汁
 新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)が流行したことで例年は少数である鼻汁検体が本年は多数提出された。
 検体数は335検体で、231検体(69.0%)からウイルスが検出され、主な検出ウイルスは、新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)の87例、インフルエンザウイルスAソ連型(AH1)の83例、インフルエンザウイルスB型の25例であった。
・便
 209検体中112検体(53.6%)からウイルスが検出された。主に検出されたのは、ノロウイルスGUが48例、A群ロタウイルスが34例、ノロウイルスGTが8例検出された。
(4)地域別ウイルス検出状況(表21)
 ウイルス毎の検出時期と地域間の波及の方向をみるため,流行した代表的なウイルスについて表21に示した。
・コクサッキーウイルスA群
 夏季に流行したヘルパンギーナと一年を通して小規模に流行した手足口病から主に検出された。
 ヘルパンギーナからの6型は、東部では8月中旬から11月上旬までの間に断続的に検出され、中部、西部からは検出されていない。手足口病からの6型は10型の流行が終息した後に流行した型であるが、流行が小規模であったことから東部では8月上旬に、中部で10月下旬に各々1例が検出されたのみである。
 また、手足口病から検出された10型は、東部では1月中旬と4月上旬に、西部では8月の上・下旬にほぼ年間を通じて検出されているのに対し、ヘルパンギーナは7月下旬から9月中旬の夏季に東・西部でほぼ同時に感染が拡大したと推察された。
・A群ロタウイルス
 本ウイルスは冬季の感染性胃腸炎の起因ウイルスで、例年ノロウイルスの流行が終息する時期から流行し始める。
 本年もノロウイルスの流行がほぼ終息した3月上旬に東部で検出され、その後、4月上旬になって中部から、西部は4月下旬にのみ検出されており、流行は東部から中部、中部から西部へ拡大したと推察された。
 本ウイルスが検出されなくなったのは、東部が4月下旬、中部が5月下旬であった。従って、東部は中部より約1か月早く本ウイルスによる流行が終息したと推察された。
・ノロウイルス
 ノロウイルスG2は年当初からほぼ県内全域で検出されており、検出されなくなったのは東部が2月中旬、中部が4月上旬、西部は3月中旬までで、地域間で終息時期が異なっていた。
 また、ノロウイルスG1型の流行はノロウイルスG2型が流行している間の2月下旬から始まり、5月中旬まで続いたが、検出数が少数であったことから県内の動向は分からなかった。
・インフルエンザウイルス
 2008/2009年シーズンの島根県の季節性インフルエンザの流行は2008年の第45週(11月上旬)に患者定点から最初の患者報告があり、その後2009年第22週(5月下旬)頃まで流行が続いた。
 その後の2009年7月上旬から年末までは県内全域で新型インフルエンザウイルス(AH1pdm)が流行したことから、その間は新型インフルエンザウイルスのみが検出された。
 季節性インフルエンザウイルスの検出状況は、先行して流行したA香港型(AH3)が2008年11月下旬に東・西部から検出され、中部は少し遅れた2008年12月中旬に検出された。流行の主流であったインフルエンザウイルスAソ連型(AH1)は東・中・西部とも2008年12月下旬の同時期に検出されている。また、インフルエンザウイルスB型は東・中・西部とも2009年1月下旬から検出されはじめた。
 流行の終息は、先行して流行したA香港型(AH3)が県内全域で2009年4月に、流行の主流であったインフルエンザウイルスAソ連型(AH1)は東・西部が2009年3月中旬に、中部は少し遅れた2009年4月中旬に、インフルエンザウイルスB型は東部が2009年4月下旬に、中部が2009年4月上旬に、西部が2009年5月上旬と各地域で終息時期が異なったと推測された。
(5)過去10年間のウイルス検出状況(表22)
 感染症サーベランスが開始されて以来、28年間で21,000例以上のウイルスを当所で検出している。表22年は、その内過去10年の状況を示す。
・アデノウイルス
 1型、2型、3型、5型、6型は増減があるもののほぼ毎年検出される型である。4型は過去には多く検出されていたが1994年から2004年の間は全く検出されなくなり、2005年から再び毎年検出されるようになった。7型は1994年以降毎年検出されていたが、2005年から全く検出されなくなった。
・コクサッキーA群ウイルス
 高率に検出される4型、6型、10型、16型と低率に検出される2型、5型及び稀に検出される3型、8型、9型、12型、14型、21型に分類される。
 今年は6型、9型及び10型の3つの型が検出された。6型は昨年2008年は検出されていないがほぼ毎年多数検出されており、9型は断続的に少数検出され、10型はほぼ毎年多数検出される型である。
・コクサッキーB群ウイルス
 過去28年では、本ウイルスは1年から2年の多発期と2から3年の非流行期を繰り返して流行している。また、1型は他の型と比較して検出例数が少数で、2006年から2009年の4年間は検出されていない。
・エコーウイルス
 他のエンテロウイルスに比べ流行周期が長く、多種類の疾患から検出され、また、検出される型も多種類であるのが特徴で、28年間で10種類の型が検出された。
 ほとんどの型が、2年から3年の多発期の後、長期間検出されなくなる流行周期であるのに対し、30型は2002年から毎年検出されている型である。
・エンテロ71型ウイルス
 本ウイルスは、手足口病の起因ウイルスとして3年から4年の周期で流行し、また、本ウイルス以外の手足口病の主要ウイルスとなるコクサッキーウイルスA10型、A16型と流行時期が相前後した時期に流行するが、本年2009年はコクサッキーウイルスA6型、A10型及びエンテロ71型の3種類のウイルスによる小規模な流行となった。
・ポリオウイルス
 年間に3から30例が検出されるが、いずれも感染性胃腸炎、咽頭炎、発しん症等の糞便、咽頭拭い液材料から生ワクチン投与後の一定期間に限られて検出されている。
・下痢症起因ウイルス
 最近の下痢症起因ウイルスの検出状況は、ノロウイルスG2、A群ロタウイルスで大多数を占め、その他に少数検出されているエンテリックアデノウイルス、C群ロタウイルス、ノロウイルスG1、サポウイルス、アストロウイルスがある。
 ノロウイルスG2はPCR法による型別検査を実施することになった2004年以降高率に毎年検出され、また、A群ロタウイルスは検査を始めた1984年から毎年高率に検出されている。腸管アデノウイルス、C群ロタウイルス、ノロウイルスG1、サポウイルスは近年ほぼ10例前後検出されるが、これらウイルスは学校等の集団生活の場で感染症を引き起こすことがあり疫学的サーベイランスは重要である。
・インフルエンザウイルス
 インフルエンザウイルスAソ連型(AH1)、インフルエンザウイルスA香港型(AH3)、インフルエンザウイルスB型の3種類のウイルスは、2000年からほぼ毎年検出されているが、本年は6月末から12月まで新型インフルエンザ(AH1pdm)による大規模な流行がおき、これら3種類の季節性インフルエンザはその間は流行しなかった。
(6)主な疾患から検出されたウイルス検出状況(表23)
 表23に、2000年から2009年までに代表的な疾患から検出されたウイルスを示す。これらにはそれぞれの疾患の主要な原因ウイルスと、必ずしも原因ウイルスではなく、その時々に流行しているウイルスが付随的に検出されたものも含まれている。
・咽頭結膜熱
 咽頭結膜熱の起因ウイルスはアデノウイルスである。
 この10年間のウイルスの検出状況は、アデノウイルス3型が2005年から2007年の間に主に検出されたが、それ外では1型、2型、5型が少数ではあるがほぼ毎年、3型、4型、6型、7型は散発的に検出されている。
・手足口病
 手足口病の起因ウイルスはエンテロウイルスで、主にコクサッキーウイルスA群、エンテロウイルス71型である。
 過去10年に主に検出されたウイルスはコクサッキーウイルスA16型で、ほぼ3年毎に多数検出されている。その他に、エンテロウイルス71型が2001年と2004年に多数検出されたがその後は少数の検出に留まっている。また、コクサッキーウイルスA4型、A6型、A10型が検出されているが検出数は少数であった。
・ヘルパンギーナ
 ヘルパンギーナの起因ウイルスはコクサッキーウイルスである。
 この10年間のウイルスの検出状況は、主にコクサッキーウイルスA群によるもので、4型がほぼ毎年、10型は2003年に多く検出された。また、2型、6型、8型が検出されているがこの型の検出数は少数であった。
・無菌性髄膜炎
 主にエコーウイルスが検出され、その外にコクサッキーウイルスA、B群等が検出されている。
 2007年に出雲圏域でエコーウイルス30型による大規模な流行が起こったが、その他の年はコクサッキーウイルスやエコーウイルスによる小規模な流行で留まっている。 
・感染性胃腸炎
 大きく流行するのはノロウイルス及びA群ロタウイルスで、毎年ノロウイルスが流行した後にA群ロタウイルスの流行が起こる。その他に腸管アデノウイルス、アストロウイルス及びサポウイルスが検出されているが、大きな流行はなく検出数も少数であった。
・咽頭炎
 2005年以前はアデノウイルス、コクサッキーウイルスA、B群が多数検出されていたが、2005年以降は少数の検出に留まっている。
・熱性疾患
 毎年多種のウイルスによる流行が起こっているが、大きな流行とはなっていない。
 ウイルスが多数検出された年は2000年と2004年で、2000年はアデノウイルス2型、3型及びコクサッキーウイルスA10型が、2004年にはエコーウイルス18型とコクサッキーウイルスA 4型が検出されている。
・発疹症
 生後1か月から1歳までの発症をピークとして、季節的な流行は少なく年間を通じてほぼ一定している疾患である。検出されるウイルスは多種類で、コクサッキーウイルスA 9型、エコーウイルス13型、16型、18型及びアデノウイルス1型が検出されている。
 年別検出状況は、2002年にエコーウイルス13型、2006年にコクサッキーウイルスA9型が多数検出されている。
島根県感染症情報センター