感染症 年報
島根県感染症情報(月報) 2004年1月(12/29〜2/1)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)
オウム病が1件(松江圏域)報告されています。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告 ( )内は月の定点当たり報告数
○インフルエンザ:(18)。全県で一斉に第1週より5週に向け急激に流行してきました。川本圏域(30)、出雲
・浜田圏域(22)、雲南圏域(21)の順に多く流行しています。しかし、昨年1月(128)の1/5弱
と少ない報告にとどまっています。
○感染性胃腸炎:(30)。雲南圏域(48)、隠岐圏域(26)で増加しましたが、前月多発した川本圏域(58)や
出雲圏域、浜田圏域で減少し、全体では前月の3/4になりました。昨年の1月に比較する
とかなり多い報告数になっています。
○水痘:(10)。益田圏域(17)、出雲圏域(15)の流行が続き、雲南圏域(10)と浜田圏域でも増加
してきました。各地区とも第2週に特に多く報告されました。
○A群溶連菌咽頭炎:(2.3)。雲南圏域(8)での流行が続き、松江圏域・浜田圏域でもやや多くみられます。
鳥取県での流行が続いています。
○咽頭結膜熱:(1.2)。益田圏域(4)の他に出雲圏域でも増加し、松江でも発生しています。
○流行性耳下腺炎:(0.8)。益田圏域(3.7)で第3週より増加してきました。
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎の報告は例年冬の間は減少傾向にありますが、依然として高い発生レベルにあります。罹
患年齢は20歳以上に集中しています。
4)性感染症報告
性器クラミジア、淋菌感染症などの性感染症の報告件数は、この16年間で最も高いレベルで推移していま
したが、1月の発生はいずれも落ち着いた状態になっています。
5)基幹病院報告
○無菌性髄膜炎:出雲で10歳未満の2件が報告されています。
○マイコプラズマ肺炎:松江圏域で5件、出雲圏域で1件の報告がありました。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:57件。ここ半年の月平均は54.5件ですが、2年前は35件でした。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:24件。ここ半年の月平均は21.3件でしたが、2年前は7.5件でした。
2.病原体検出情報(1月までの検出結果)
インフルエンザからはA香港型が分離されています。現在のところ島根県ではAソ連型、B型は分離されていません。
感染性胃腸炎からは10種類以上のウイルスが検出されていますが、流行の前半部分はNoroウイルス、腸管ア
デノウイルスが主体でした。後半の1月に入ってからはNoroウイルスに加えRotaウイルスが検出されるように
なっています。
2003年11月 から 2004年1月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研 感染症疫学科)
ウイルス名 | アデノ | 腸管アデノ | コクサッキーB | エコー | パレコ | インフルエンザ | A群ロタ | NV | SV | カンピロバクター | 病原性大腸菌 | 合計 |
型 | 1 | 2 | 5 | 1 | 3 | 4 | 6 | 7 | 30 | A香港 | B | EPEC |
感染性胃腸炎 | | | | 12 | 1 | | 1 | 1 | 2 | 3 | 2 | | | 2 | 24 | 1 | - | - | 49 |
インフルエンザ | | | | | | | | | | | | 35 | | | | | | | 35 |
咽頭炎 | 1 | 1 | 1 | | | 1 | | | 4 | 1 | | 4 | | | | | | | 13 |
肺・気管支炎 | 1 | | | | | | | | 2 | | | | | | | | | | 3 |
無菌性髄膜炎 | | | | | | | | | | 1 | | | | | | | | | 1 |