前年に引き続き島根県内の病院で患者材料(便)より検出された33例及び健康人材料(便)から検出された 23例の合計56例のSalmonella について血清型別を実施した（表）。その結果、Salmonella は 20血清型に型別され、多く検出された血清型は、S.Enteritidis の25例(44.6%)、S.Infantis の4例(7.1%)で, 平成１2年は全国統計と同様、本県でもS.Enteritidis による感染症が多発したことが伺える。
　月別検出状況は細菌性食中毒が多発する6月から9月の間の暑い時期に30例(53.6%)と多く検出された。
　年別の血清型の推移はS.Enteritidis による感染症が近年増加傾向にあり、S.Typhimurium、 S.Virchow、S.Infantis、S.Litchfield、S.Hadar など毎年検出された血清型が減少傾向にある。
　感染症新法の二類感染症病原体であるS.Typhi が１例検出されているが、この事例は海外旅行で感染した事例であった。
　以上の如く、S.Enteritidis による感染症が近年益々増加傾向にあり、予防対策が必要と考えられる。

血清型	菌種	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月	合計
O4	S.Paratyphi B								2					2
	S.Schwarzengrund									1				1
	S.Eko				1									1
	S.Saintpaul							1						1
	S.Agona										1			1
	S.Derby						1							1
	S.Essen				1									1
	S.Typhimurium						2							2
O7	S.Ohio									1				1
	S.Paratyphi C											1		1
	S.Othmarschen				1						1			2
	S.Thompson		1				1						1	3
	S.Infantis				1	2	1							4
	S.sp									1	1			2
O8	S.Bardo/Newport							2	1					3
	S.Haardt/Blockley								1					1
	S.Pakistan/Litchfield						1							1
O9	S.Typhi						1							1
	S.Enteritidis	1		1	1	1		2	7	4	2	5	1	25
O3,10	S.Amsterdam												2	2
合計		1	1	1	5	3	7	5	11	7	5	6	4	56