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島根県農業試験場研究報告第22号(1987年3月)p66-81

島根県におけるブドウ'デラウェア'の生育診断に関する研究(第1報)

作型別の樹相と果実収量及び品質について

 


 


今岡昭、山本孝司、小豆沢斉、高橋國昭、倉中将光


摘要

 'デラウヱア'ブドウにおける生育診断基準の基礎資料を得るため、1982−'84年の3年間に島根県内の普通加温栽培、準加温栽培、無加温栽培及び露地栽培の246園を調査した。

 

  • 新梢数は作型が早いほど多く、展葉8−10枚期に晋通加温栽培は125本/10m2、露地栽培は117/10m2で、成熟期にはそれそれ110本、96本であった。新梢長は施設栽培において長く、露地栽培において短く、成熟期における新梢長は施設栽培が125cm前後、露地栽培が103cmであった。
    成熟期におけるLAIは普通加温栽培が2.46と高く、無加温栽培及び露地栽培は2.2程度と低かった。

 

  • 収量は普通加温栽培が19.0kg/10m2と最も多く、露地栽培は16.1kg/10m2と最も少なく、作型が早いほど多い傾向がみられた。果実品質においては、作型による明らかな違いはみられなかった。

 

  • 施設栽培及び露地栽培における高生産園は、低生産園に比べて、新梢数が60%前後多いが、新梢長は短く、開花20日後に100cm程度となり、その後の伸長は少なかった。成熟期のLAIは低生産園か2−2.3であったのに対し、高生産園は2.6程度と高かった。

 

  • 高生産樹相は、10a当り新梢数を施設栽培においては、13,000−14,000本、露地栽培においては、10,000−11,000本程度にし、早期に葉面積を確保して、新梢は100−120cmで伸長を停止し、成熟期におけるLAIが2.6程度となる状態と考えられた。
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