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島根県農業試験場研究報告第22号(1987年3月)p48-65

ナゴランの無菌培養に関する研究

 


 


稲村博子、斎藤斉


摘要

 本県隠岐島の特産であるナゴランの無菌培養を効率的に行うため、種子の貯蔵法、種子の熟度と生育について、培地条件ならびに培養条件について試験を行い以下の結果を得た。

 

  • 種子を−18度Cで冷凍貯蔵すると380日間貯蔵後でも80%の発芽率を得た。しかし、発芽後の生育は貯蔵期間が長くなるにしたがって劣った。発芽、生育ともに良好であったのは5度C130日−221日貯蔵区と−18度C130日−221日貯蔵区、0度C130日貯蔵区であった。

     

  • ナゴランは受粉後126−169日の未熟種子で高い発芽率が得られたが、発芽後の生育は熟度が進んだ種子で良好であった。

 

  • ハイポネックス培地はナゴランの無菌培養においても、簡便培地として有効であることが認められた。

 

  • 培地の適PHは4.5前後であり、本試験に用いた培地では5前後に調整することで得られた。寒天は8g程度のやわらかい培地で生育は良好であった。

 

  • 培地へのミカン汁添加により生育は促進された。は種培地におけるミカン汁およびしょ糖の好適濃度は、は種時期においても異なり、年内は種の場合は、ミカン汁100mL/L、しょ糖10g/Lが、また3月頃のは種では、ミカン汁200mL/L、しょ糖20−40g/Lで良好であった。移植培地についてはいずれの時期もミカン汁200mL/L、しょ糖20−40g/Lで生育は良好であった。

 

  • 培養温度は25度Cが適温で、は種後4週間−6週間、暗黒条件下で培養すると生育は促進された。
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