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島根県農業試験場研究報告第22号(1987年3月)p1-11

 


水稲新品種「みほひかり」について


神田正治、名古洋治、安原宏宣、高橋眞二、山本朗、杉山万里、新田英雄、小村康治、高海幸夫


摘要

 

  • 島根県の中山間部および平坦地帯を普及対象とした良質、良食味で穂発芽性、耐病性なと各種の障害抵抗性を備え、機械化栽培にも好適する強稈で、安定性の高い早生、中生品種の育成を目標とした。1971年当場において極短稈、いもち病耐病性系統「雲系43−28」と白葉枯病耐病性系統「45−42」との交配を行い、その後代から育成された粳種である。1980年F10世代で島系26号の系統名を、更に1986年にF16世代で「みほひかり」と命名されて、島根県の奨励品種に採用された。

 

  • 本種の育種法には集団育種法ならびに世代促進法を適用した。

 

  • 新品種「みほひかり」の特性は次のとおりである。出穂期はヤマビコ、農林44号より1日遅く、成熟期はこれら品種より3日程度遅い、本県では中生種に属する中短稈、やや多げつの偏穂数型で、草姿は「45−42」(島系5号)に近く、草状、熟色良く、並穂で短芒を有し、脱粒性は難である。いもち病に強く、その抵抗性は「Pi−No.5」に由来するものと考えられる。また白葉枯病にも強く、その他の病害虫にも特に難点はない。収量性はヤマビコ、農林44号にまさり、年次変動が小さく、安定性が高い。品質、食味ともヤマビコ並に良好である。

 

  • 本品種は中山間部から平坦部の地力中庸地から肥沃地の早植、普通栽培に適する。また平坦部での晩植栽培での適応性も高い。

 

  • 栽培に当ってはヤマビコ、農林44号より幾分多肥とし、穂肥を積極的に施用する。また極端な多肥は避け、倒伏には注意する。
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