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島根県農業試験場研究報告第20号(1985年10月)p12-27

オキシャクナゲの鉢物栽培のための育苗法

 


 


秋光昇、斎藤斉


摘要

 

  • オキシャクナゲの鉢物栽培において、実生苗の生育促進と着蕾年限の短縮を図るため、用土、施肥、電照、わい化剤などについて検討し、さらに簡易な栽培体系を組み立てることを試みた。

 

  • 用土は生育に大きく影響を与え、は種用土では砂-ビートモス(1:2)配合土、仮植用土では砂-ビートモス(1:1)配合士、鉢上げ用土では砂-ビートモス-もみがら(4:2:1)配合土が良好であった。また、は種用土のPHは4.6−5.2で生育がすぐれた。

 

  • 施肥は従来の液肥施用より緩効性の肥料の基肥施用が有効で、しかも省力的であった。用土によって施用量は異なると思われるが、砂-ビートモス配合土の場合、は種床では用土1L当たり被覆肥料100型を窒素量で約0.2g、仮植床では被覆肥料180型を0.2−0.3gを、それぞれ全量基肥として用土と混合するのが適切であった。また、鉢上げ床では砂-ビートモス-もみがら配合土の場合、被覆肥料180型を用土1L当たり窒素量で0.6−0.9g、植付け後に株元に施用するのがよかった。

 

  • 仮植時期は3月下旬は種の場合、6月下旬に行うのが9月末に行うより生育が良好であった。

 

  • 「砂-ピート育苗」はこけ巻き、こけ除去を行う「水こけ育苗」に比べて、生育が良好であり、は種床から仮植床への移植労力が約1/2、仮植床から鉢への移植労力が1/4程度に軽減された。

 

  • 電照はシャクナゲ苗の生育を促進する効果が高かった。照度は20−40Lxで効果があり、無加温栽培の場合、3月頃から9月末の電照で効果があった。

 

  • わい化剤の散布は着蕾年限短縮に有効で、通常着蕾しにくい実生の4年苗に着蕾させることができた。わい化剤はダミノジット水溶剤を用い、1−2%液を新芽が伸びて新葉が開き始める頃から半ば開いた頃を中心に第1回を散布し、その後1か月おきに2回散布が効果的であった。なお、ダミノジット水溶剤散布にあわせて行った複合あるいは液体肥料の施用は着蕾を増加した。
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