• 背景色 
  • 文字サイズ 

島根県農業試験場研究報告第18号(1983年3月)p31-47

二十世紀ナシの乾物生産と養分吸収

 


 


小豆沢斉、伊藤武義


摘要

 元当場荒島分場圃場に植栽された二十世紀ナシの果実収量を基準にして、高生産樹、中生産樹および低生産樹にわけ、1977年から1979年にかけて物質生産量、養分吸収量、根群分布、土壌の理化学性なとについて調査し、生産力に差を生じた原因を明らかにしようとした。

 

  • 高生産樹の現存量は中生産樹、低生産樹に比べて少なかったが、新生部においては多かった。

 

  • 樹冠面積1,000m2当たりの果実収量および純生産量は葉面積指数と極めて相関が高かった。1,000m2当たりの純生産は高生産樹が1,402.9kg、中生産樹972.1kg、低生産樹は785.3kgであり、高生産樹は低生産樹に比べて果実、葉、細根などの分配率が高かった。

 

  • 各器官別の無機成分含有率は高生産樹ほど高い傾向がみられた。

 

  • 高生産樹における10a当たり無機成分の吸収量は窒素が18.40kg、リン酸が6.40kg、カリウムが13.14kg、カルシウムが14.16kg、マグネシウムは5.56kgであり、いづれも低生産樹より著しく多かった。

 

  • 細根量と深耕割合とは高い正の相関があり、深耕割合に比例して細根量は多くなった。また、細根量と無機成分の吸収量との間には高い正の相関がみられた。

 

  • 低生産樹は土壌の理化学性が劣るために細根の発達が阻害されていると考えられた。

 

  • 二十世紀ナシの果実生産を高めるためには4程度の葉面積指数が必要であり、そのため多くの果そう葉と細根を確保することが重要と考えられる。
    back

お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp