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島根県農業試験場研究報告第14号(1976年12月)p18-28

ドライ-ストアによるもみの長期貯蔵に関する研究

 


 


布野精治


摘要

 ドライ-ストアによるもみの長期貯蔵の可能性について検討するために、1975年1月10日より同年7月30日までの約7か月間、最も貯蔵条件の悪いと考えられる貯留ビンに10トンのもみを貯蔵した。調査は、貯留ビン内のもみの温度、水分、品質および食味について実施し、以下述べるような結果を得た。

 

  • もみの温度は、季節の推移とともに変化したが、このうち側壁から10cmまでのもみ層の温度は、外気温の日変化に強く影響された。

 

  • もみ水分は、貯蔵開始時14.7%であったが、貯蔵開始後2か月以降はほぼ13から14%で推移し、大きな変動はなかった。

 

  • 脂肪酸度は、貯蔵日数の経過に伴い漸増し品質維持の安全限界といわれる20mgを越えたのは6月上旬以降であった。

 

  • 発芽率は、6月下句から若干低下したが、大きな低下はなかった。

 

  • 胴割れ率は、強度のものはほぼー定であったが、軽微なものは貯蔵日数の経過に伴い漸増した。

 

  • 食味評価は、対照に比べわずかに劣るようであった。

 

 以上の結果から、ドライ-ストアは、もみの貯蔵庫として、5月下旬まで十分に利用し得るものと考えられる。


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