• 背景色 
  • 文字サイズ 

島根県農業試験場研究報告第11号(1973年12月)p1-15

砂質秋落水田に対する鉄鉱滓施用効果

 


 


村上英行、古山光夫、三原文吉、花山英夫


摘要

 ごま葉枯病、穂枯れが激発し、秋落ちのはなはだしい地帯4か所で現地試験を実施し、鉄鉱滓多量施用の効果を検討した結果は次のとおりである。

 

  • 平炉滓、転炉滓500−600kgの施用では、残効を含めて3年間の平均で約10%の増収となったが、これ以上は増施の効果はなく、これ以下の量では効果は少なかった。また珪酸石灰の効果も少なかった。

 

  • 4試験地はそれぞれ強グライ、グライおよび灰褐色土壌であったが、共通点はいずれも粗粒質で、作土はSL−LS、下層土はLS−Sで漏水のはなはだしいこと、また塩基置換容量が低く、遊離酸化鉄、可給態珪酸および易還元性マンガン含量がはなはだしく低い点であった。

 

  • これらの資材施用による水稲の養分吸収の特徴は珪酸および窒素の吸収量の増加であり、前者は鉄鉱滓、珪酸石灰すべてにみられたが、後者は鉄鉱滓500−600kg以上施用の場合にのみみられた。室内実験の結果とあわせて、アルカリ効果も鉄鉱滓多量施用の効果の原因の一つと推定した。

 

  • 水稲の収量、養分吸収、跡地土壌の化学性の推移よりみて、鉄鉱滓500−600kg施用の効果はほぼ3年程度とみられる。

 

  • 以上より2に示したような土壌における秋落対策としては、3ないし4年に1回、鉄鉱滓600kg程度の施用が適当と認めた。だだし堆厩肥、わら等の有機物は毎年十分に施用しなければならない。
    back

お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp