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島根県農業試験場研究報告第7号(1966年3月)p81-86

分根法による桃樹の栄養学的研究(第1報)

 


部分施肥が樹の生育に与える影響


竹下修、高橋国昭、伊藤武義


摘要

 桃樹を内部が3室に仕切られた特製コンクリートポットに栽植し、砂耕法によって肥料の部分的施用の影響を見た。

 

  • 新梢の伸長および総樹重は同濃度の砂耕液を用いた場合、施肥室数が減ずるにしたがって劣る。しかし、施肥室数を減ずるかわりに砂耕液の濃度を高め、1樹当りの施肥量を同一にすれば、本実験の範囲内では、施肥された室数は少なくても、砂耕液濃度の高い区の生育が勝る。

 

  • 施肥する室数が、少なくなるにしたがい、1樹当りの総根量は減ずるが、施肥室内の根群密度は補償的に増加し、地上部の発育も次第に部分的となる。

 

  • ある室内の細根量と同方位の新梢量との間には+0.5程度の相関がある。

 

  • 新梢量/細根量は、本実験の範囲内では砂耕液の濃度が高くなるにしたがい大となる。葉内N含量も同様の傾向を示す。

 

  • 細根中のN含量は、同一樹では施肥部で高く、無肥部でやや低いが、主として砂耕夜濃度に準じて変動し、高濃度部分施肥区においては無肥部の細根でさえ、対照区の施肥部の細根より含量は高い。したがって施肥室から吸収されたNは、無肥室内の細根へも転送されていることがうかがえる。
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