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島根県農業試験場研究報告第7号(1966年3月)p43-50

 


中、大型機械による水稲乾田直播栽培に関する研究(第1報)
播種作業について


森山真策、高野總十朗、北村稔、服部昭三、横井謙二郎


摘要

 島根農試出東分場圃場で、中、大型機械による水稲の乾田直播栽培を行った。供試圃場の乾田直播播種適期の地下水位は田面下35−45cmであり、土性は壌土でやや重粘で、砕土は比較的困難であった。また出芽に対する砕土の要求度はやや高いといえる。得られた結果は下記の通りである。

 

  • 土壌水分と砕土の良否には密接な関係が認められ供試圃場の場合平均土塊径を2.5cm以下になるように砕土するためには土壌水分含有量は50%(対乾土比)以下であることが必要であろうと推定された。

 

  • 播種時期の土壌水分は降雨量、蒸発量によって異なるが、供試圃場の不耕起地においては表層0−10cm間の平均土壌水分含有量が50%以下になることは測定期間の3月31日−5月13日までには認められなかった。しかし反転耕を行った圃場では、土壌水分の低下が急速に起り、耕起直後52.5%の土壌水分含有量のものが晴天1日後には47.3%に低下し、又36.3mmの降雨後でも2日後には51.0%に低下した。したがって少なくとも4月下旬−5月中旬までは反転耕を行なわないと播種に適当な砕土が行われ得る土壌水分にはならないようである。

 

  • 不耕起地においての土壌硬度は供試圃場では表層0−10cmの間においての変化状態から推定して10mmの降雨後では即日、20mmの降雨後には1−2日目にはハーフトラックを装着すれば、けん引作業も可能といえるようである。

 

  • 砕土の良杏と苗立数の間には密接な関係が認められ、10a当り5kgの播種量で苗立木数を120−140本/m2にするためには、平均土塊計を20mm以下にする必要を認めた。

 

  • 出芽しない種籾の20−56%は土中で出芽して黄化枯死している。これは土塊の大小も関係すると考えられるが、砕土が良好の場合は播種深度が大きく影響する。

 

  • 供試した播種機の場合、けん引型は駆動型に比べ砕土を小さくする必要が認められた。
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