令和元年度国民健康保険事業状況(島根県)
事業概況
1一般状況
(1)保険者数、世帯数及び被保険者数
令和元年度末における本県の国民健康保険の保険者は、表1のとおり市町村19、国保組合1の計20である。
令和元年度平均で見ると、世帯数は86,504世帯、被保険者数は131,202人である。平成20年4月に後期高齢者医療制度が創設され、75歳以上の者等が後期高齢者医療制度に移行し、それ以降は人口減少や被用者保険の適用拡大等により減少を続けている。令和元年度の1世帯当たりの被保険者数は1.52人となり、前年度の1.53人から若干減少した。
(2)被保険者の状況
令和元年度末における被保険者数は、表2のとおり市町村126,653人、国保組合1,896人、合計128,549人である。そのうち退職被保険者等が22人である。
退職者医療制度の適用状況は表3のとおりである。退職世帯及び被保険者数ともに平成16年度以降増加し、国保世帯全体に占める割合も増加していたが、平成20年4月から退職者医療制度の段階的廃止(平成26年度までに退職被保険者等となった者が65歳になるまでの経過措置)に伴い、対象者が大幅減となった。
表4で年齢階級別被保険者の状況をみると、60歳以上の被保険者が多い。特に本県ではその傾向が顕著であり、令和元年度国民健康保険実態調査によると、令和元年9月末の本県国保加入者の約67%が60歳以上であり、全国平均の約53%を大きく上回っている。
(3)被保険者の増減状況
被保険者の増減状況を異動事由別に見たものが表5である。令和元年度中に新たに国保に加入した者の総数は22,143人である。異動事由別で最も多いのは、被用者保険の資格喪失によるもので、全体の7割以上を占めている。
一方、国保の資格を喪失した者の総数は25,807人である。異動事由別では、被用者保険への加入が最も多く、ついで後期高齢者医療制度への移行が多くなっている。
2保険給付状況
(1)保険給付状況
表6は保険給付の状況を年度別に示したものである。
一般被保険者及び退職被保険者等分の療養諸費は61,294,065千円、前年度比約0.2%の減少となった。高額療養費は7,136,853千円で前年度比約2.0%の増加、その他の保険給付は145,618千円で前年度比約11.1%の減少となっている。
(2)総医療費(療養諸費及び医療諸費)の状況
表7は被保険者別に総医療費(療養諸費及び医療諸費)の推移を示したものである。
一人当たり医療費について一般被保険者を基準にして比較すると、退職被保険者等は約1.05倍となっている。
(3)被保険者100人当たり受診件数(受診率)
被保険者100人当たり受診件数(以下「受診率」という。)の年度別推移は、表8のとおりである。
一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外・歯科ともに増加となった。また、全国平均と比べると、歯科以外の入院並びに入院外の受診率は全国平均を大幅に上回っている。
(4)1件当たりの診療日数
1件当たりの診療日数の年度別推移は表9のとおりである。
一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院は増加、入院外・歯科は減少となった。また、全国平均と比べると、入院外及び歯科では、平均を下回っているが、入院は全国平均を上回っている。
(5)1日当たりの診療(医療)費
1日当たりの診療(医療)費の年度別推移は表10のとおりである。
一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外・歯科ともに増加となった。また、全国平均と比べると、入院は全国平均を下回っているが、入院外・歯科は上回っている。
(6)1件当たり診療(医療)費
1件当たり診療(医療)費の年度別推移は表11のとおりである。
一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外は増加しているが、歯科は減少している。また、全国平均との比較では入院は上回っているが、入院外・歯科は下回っている。
(7)1人当たり診療(医療)費
1人当たり診療(医療)費の年度別推移は表12のとおりである。
一般被保険者及び退職被保険者等分を見ると、入院・入院外・歯科ともに増加となった。また、全国平均との比較では、入院・入院外は上回っているが、歯科は下回っている。
(8)高額療養(医療)費
高額療養(医療)費の年度別推移は表13のとおりである。一般・退職を合わせた高額療養費は7,069,896千円、件数は122,099件で、平成30年度に比べて高額療養費は約1.0%の増、件数は約3.8%の増となった。
3保険料(税)の状況
(1)保険料(税)現年度分の調定額
現年度分保険料(税)1人当たり調定額等の年度別推移は表14−1及び14−2のとおりである。
令和元年度の1世帯当たり調定額は151,102円、1人当たり調定額は99,624円となり、前年度と比較すると1世帯当たり調定額で0.3%の減少、1人当たり調定額で0.8%の増加となった。
(2)保険料(税)現年度分の収納率
収納率は、全被保険者で96.29%であった。市町村別で見ると(表15)、市部が95.89%、町村部が98.22%であった。なお、国保組合は令和元年度も100%である。平成20年度は後期高齢者医療制度の創設などにより、納税意識が高い高齢者が国保から移行したこと等により大幅に低下したが、平成22年度以降、収納率は平成30年度まで上昇し続けていた。平成30年度は前年度から0.13ポイント増、令和元年度は0.15ポイント減となった。市町村国保収納率は全国平均92.92%を3.23ポイント上回っている。なお、平成8年度以降、全国1位をキープしており、令和元年度も全国1位であった。
4市町村国保の財政状況
医療給付分及び介護分(介護納付金に関するもの)を合わせた収支状況については、収入合計は75,094百万円、支出合計は74,188百万円であり、それらの収支差引合計額は906百万円となっている。(表16)
収入合計から基金繰入額、繰越金等を除いた単年度収入は73,166百万円、支出合計から基金積立金等を除いた単年度支出は73,922百万円となり、単年度収支差は756百万円の赤字となった。
5市町村国保の保険者別比較(主な状況)
市町村国保の保険者別に比較したものが表17である。
被保険者の状況としては、前期高齢者の占める割合が55.32%と全国平均(43.54%)と比べて高くなっている。
保険料(税)の一人当たり調定額を比較すると、全国平均89,025円に対し本県は90,319円と若干高くなっている。県内で比較すると一番高い出雲市(97,168円)と一番低い美郷町(63,998円)で約1.5倍の格差となっている。
一人当たり医療費を比較すると、全国平均378,939円に対し本県は471,489円と高くなっている。県内で比較すると一番高い川本町(621,571円)と一番低い知夫村(344,954円)で約1.8倍の格差となっている。
表3:退職者医療制度適用状況(年度末、市町村)(Excel、PDF)
表8:被保険者100人当たり受診件数(受診率)(一般被保険者及び退職者被保険者等分)(Excel、PDF)
表9:1件当たり診療日数(一般被保険者及び退職者被保険者等分)(Excel、PDF)
表10:1日当たり診療費(一般被保険者及び退職者被保険者等分)(Excel、PDF)
表11:1件当たり診療費(一般被保険者及び退職者被保険者等分)(Excel、PDF)
表12:1人当たり診療費(一般被保険者及び退職者被保険者等分)(Excel、PDF)
表14:現年度分保険料(税)の状況(島根県・全国)(Excel、PDF)
表16:年度別決算による収支の状況(市町村)(Excel、PDF)
表17:市町村国保の保険者別主な状況(全被保険者分)(Excel、PDF)
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