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豚肉の生食は止めましょう

 牛の食肉については平成23年に生食用牛肉の規格基準が定められ、平成24年に牛の内臓(レバー)の生食用での提供、販売が禁止されています。豚・鶏等の肉や内臓についても、保健所では十分な加熱を行うことを従来から指導しています。

 しかし、近年になって牛レバーの代替品として豚レバーを提供する飲食店が現れました。また、豚肉および豚レバーには感染症・食中毒の原因となる微生物が潜んでいる可能性があることから、これらを生で食べることは人の健康を損なう危険性が特に高いと薬事・食品衛生審議会で結論付けられました。

 これらを踏まえ、平成27年6月12日より豚肉(内臓を含む)を生食用として提供、販売することは禁止となりました。調理の際には豚肉や豚の内臓(豚レバー)をしっかりと加熱して、生で食べないようにしましょう。

 

 

豚肉によっておこる主な感染症・食中毒

豚肉由来食中毒
E型肝炎

<感染様式>

 患者や豚、イノシシの糞便中に排出されたE型肝炎ウイルスが体内に入ること(経口感染)で感染します。

 国内での感染事例の多くは、野生のイノシシや鹿の肉を加熱不十分で食べることによって起こっています。

 しかし、豚がE型肝炎ウイルスに感染していて、豚肉から人への感染も懸念されています。

<症状>

 発熱、腹痛の他、倦怠感や黄疸などの肝炎症状を起こします。

 場合によっては劇症肝炎を起こして死に至ることもあります。

サルモネラ症

<感染様式>

 原因となるサルモネラ菌は多くの動物の腸内に存在し、サルモネラ菌に汚染された肉や食品を食べることで感染します。

 当然豚もサルモネラ菌を保菌しており、豚のサルモネラ症は世界的に増加していると言われています。

 豚肉が原因のサルモネラ食中毒は多くありませんが、重傷化するケースもあるため、注意が必要です。

<症状>

 原因食品を喫食後、8時間から72時間で腹痛、水様性下痢、発熱(38℃近くの高熱が特徴)を呈します。

カンピロバクター食中毒

<感染様式>

 カンピロバクター菌は牛、鶏等の腸管に生息していることが知られていますが、実は豚も高率に保菌しています。

 豚肉を加熱不十分で喫食すると感染する確率が高くなります。

<症状>

 喫食してから2日から5日で水様性下痢、腹痛、発熱、倦怠感などの腸炎症状が現れます。

 また、本菌による腸炎症状がおさまった後、約3週間後に、筋力低下、歩行困難、顔面神経麻痺等をおこす「ギランバレー症候群」になることがあり、死亡例も確認されています。

エルシニア食中毒

<感染様式>

 健康な豚の20%程度が保菌していると言われています。汚染された肉を加熱不足で食べたり、二時汚染等で感染します。

 ドイツでは豚ひき肉がしばしば生で食べられエルシニア食中毒の原因となっているようです。

 また、この菌は4℃以下の低温でも増殖するため、冷蔵保管でも安心できません。

<症状>

 原因食品を食べた後、1週間程度で胃腸炎症状を呈しますが、敗血症をおこしたり、症状は様々です。

トキソプラズマ症

<感染様式>

 トキソプラズマという原虫(寄生虫)によって引き起こされる感染症です。猫の糞便中に排出される寄生虫を摂取したり、豚の肉を食べることで感染します。

<症状>

 通常は感染しても無症状ですが、妊娠中に感染すると胎児が先天性トキソプラズマ症にかかります。

 神経障害や運動障害をおこすほか、死産や流産の原因になったりします。

 

調理する時はしっかり加熱しましょう!

  • 生肉や内臓(レバーなど)は中心部の赤味がなくなるまで加熱しましょう。
  • ハンバーグ、つくねなどの挽肉料理についても、肉汁が透明になり、中心部の色が変わるまで加熱しましょう。
  • 飲食店やべーべキューなどで、自分で肉を焼きながら食べる場合も中まで火が通っているか確認しましょう。

 

 厚生労働省が作成しているチラシを紹介します。

 厚生労働省作成チラシ:「豚肉や豚レバーを生で食べないで!」

 

(参考)

 厚生労働省は加熱温度と加熱時間の基準を次の通り定めています。

「豚の食肉の中心部の温度63℃で30分以上加熱するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない」

 同等以上の殺菌効果を有する方法での加熱殺菌の一例は次の通りです。

「豚の食肉の中心部の温度75℃で1分以上」

 

その他(調理の際の注意点)

 豚肉に限らず、生の食肉を扱うときは次のことに注意しましょう。

 

  • 冷蔵庫内での保管時など、食肉(内臓を含む)、肉汁が他の食材に触れて汚染しないよう、食肉はふた付きの容器に入れて保管しましょう。
  • 包丁、まな板やボールなどの調理器具は、食肉用、野菜用、魚用など用途ごとに使い分けましょう。区別して使用できない場合、包丁・まな板で肉を切った後に洗浄、消毒するなど、使用毎に洗浄・消毒するようにしましょう。
  • 生の食肉に触れた後はよく手を洗いましょう。
  • 焼肉やバーベキューなど、自分で肉を焼く時は、はしやトングなど、肉用、野菜用と区別し、専用にしましょう。特に、肉が完全に焼けるまでは専用のトングを使い、焼けた肉は食べる用の箸でとりわけ食べる用にしましょう。

 

参考事項(関係情報)

 豚肉や豚レバーに限らず、食肉には規制がありますので、併せて紹介します。

 

「牛の生食用食肉に関する新しい規格基準」(島根県薬事衛生課ホームページ)


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