島根県の弥生時代

 島根県には、荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡のようによく知られた遺跡以外にも、たくさんの弥生時代の遺跡があります。現在、約610(出雲440、石見155、隠岐15)の遺跡が確認されています。ここでは史跡として保存・整備された遺跡や、現地に説明板などがあり見学可能な遺跡を中心に島根県の主な遺跡や出土品を紹介します。

弥生時代の黎明
1.弥生時代の黎明

 弥生時代は、灌漑用水による稲作の導入をもって始まったと考えられます。島根県の弥生文化は、九州北部や山口県西部からやって来た水稲耕作、土器の製作方法、金属器の使用といった外来の要素と、縄文時代以来の伝統的な要素とが融合して成り立っています。伝統的要素には、石器や骨角器の素材や技術、住まい(竪穴建物)の構造、漆の使用などがあげられます。弥生時代前期、外来の要素を受け入れた島根県では、古浦遺跡、原山遺跡、矢野遺跡など、水上交通に便利な海岸や沿岸部で多くの遺跡が発見されています。これらの遺跡では縄文時代とは異なる大陸系の磨製石器を使っていました。

 

2.弥生文化の拡大

 弥生時代前期末から中期にかけて、丘陵の上にも集落が営まれるようになり、集落を取り囲む環濠をもった遺跡もあらわれます。またこの時期には、青銅器を用いた祭祀が盛んにおこなわれるようになります。中期末~後期には荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡で大量の青銅器が埋納され、石を貼りつけた貼石墓から発展した四隅突出型墳丘墓が出現するなど、大きな変化がありました。

 

3.王墓誕生

 弥生時代後期には遺跡の数が増え、丘陵全体に広がる大規模な遺跡も見られるようになります。この時期には朝鮮半島や九州北部との交流によって、鉄器やガラス製品などがもたらされるほか、吉備や北陸など列島内外との交流が盛んにおこなわれます。四隅突出型墳丘墓は規模が大きくなり、西谷墳墓群のような「王墓」が登場する背景には、このような社会の変化と地域をまとめる勢力の台頭がありました。

出雲地域の弥生時代の遺跡

 出雲地域の弥生時代の遺跡について、各遺跡の概要を紹介しています。

石見地域の弥生時代の遺跡

 石見地域の弥生時代の遺跡について、各遺跡の概要を紹介しています。

隠岐地域の弥生時代の遺跡

 隠岐地域の弥生時代の遺跡について、各遺跡の概要を紹介しています。

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文化財課

島根県教育庁文化財課
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