沖丈遺跡
町指定文化財(2002年)
指定名称「沖丈遺跡」
所在地:島根県邑智郡美郷町乙原109番地2外
江の川を見下ろす河岸段丘上に営まれた遺跡で、県道工事に伴い1995年から1996年にかけて発掘調査が行われ、弥生時代前期の配石墓が24基、弥生時代後期後半の竪穴住居址23棟がそれぞれ発見されました。 また、4基の配石墓からは計112点もの管玉が出土しました。
配石墓とは遺体を埋葬した穴の上に人頭大の川原石を敷き並べたものですが、沖丈遺跡の配石墓は縄文時代以来の伝統を踏襲した墓域構成となっており、これはこの地の縄文文化に弥生文化が交じりあって定着したことを示唆しています。 加えて、弥生時代後期後半の竪穴住居址はその建て替えの痕跡などから、ひとつのムラがどのように変遷していったのかを読み取れる重要な事例となっています。
多量の土器、石器が出土しているほか、鉄製品77点が出土しており、遺跡内で鉄器加工、すなわち鍛冶をおこなっていた点が注目されます。
調査された遺跡は埋め戻し、現在は道路の下に保存され、町指定文化財となっています。 道路脇には遺跡の説明板が設置されており、遺跡の立地を見学することができます。
沖丈遺跡配石墓
美郷町教育委員会提供
沖丈遺跡竪穴建物跡
美郷町教育委員会提供
沖丈遺跡の発掘調査
沖丈遺跡は旧邑智町教育委員会によって発掘調査が行われ、大量の弥生土器の出土を皮切りに、竪穴住居址、配石墓が見つかりました。その遺構と同じ土層からは縄文時代後期以降の遺物も検出されました。
それらの貴重な発見により遺跡の重要性が明らかになったことから、配石墓の遺構を中心に、東側部分を砂で埋め戻す形で現在も一部が保存されています。
配石墓出土管玉
美郷町教育委員会提供
沖丈遺跡出土鉄器
美郷町教育委員会提供
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