前立山遺跡

所在地:吉賀町注連川字前立山

 高津川南側の平野を見下ろす低丘陵に営まれた弥生時代の大規模な集落遺跡です。竪穴建物跡が23棟と墳丘墓1基が見つかりました。奈良時代から平安時代の掘立柱建物跡も3棟見つかっており、前立山遺跡がこの地域で重要な場所であったことがわかります。現在、遺跡は失われており見学することはできません。出土品の一部は吉賀町水源会館に展示しています。

前立山遺跡全景

遺跡全景

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

前立山遺跡の発掘調査

 1978年と1979年に、中国縦貫道建設に伴い6,500平方メートルが発掘調査されました。遺跡は北側と南側の丘陵に分かれ、北側の丘陵では弥生時代後期の竪穴建物跡22棟、南側の丘陵では弥生時代後期の竪穴建物跡1棟と弥生時代中期から後期の墳丘墓1基が見つかりました。 竪穴建物跡の平面形には、円形、隅丸方形、方形があり、円形→隅丸方形→方形と変遷したと考えられます。また、竪穴建物跡と墳丘墓の時期に差があることから、周辺に弥生時代中期の集落が営まれていたと考えられます。この他に奈良時代から平安時代の掘立柱建物跡3棟が見つかっていますが、1棟は廂付きの格式が高い建物となっています。

検出した竪穴建物

竪穴建物

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

 

前立山遺跡の出土品

 土器類では、甕、壺、高坏、器台、甑形土器、ミニチュア土器など多彩な器種が出土しました。土器類以外では石包丁や鉄鎌といった農耕具が出土しています。この他に丁字頭勾玉が出土しています。奈良時代・平安時代の出土品では墨書土器や刻書土器が注目されます。

出土勾玉

出土した勾玉

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

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島根県教育庁文化財課
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