古八幡付近遺跡
所在地:島根県江津市敬川町
日本海を見下ろす標高約60mの丘陵上に営まれた弥生時代中期中葉頃の集落跡です。丘陵の一部で発掘調査が行われ、竪穴建物跡3棟、掘立柱建物跡1棟とこれらを囲む環濠が確認されました。集落や環濠は丘陵上全体に広がっていると推定されます。現在、発掘調査された部分は失われており見学することはできません。
古八幡付近遺跡8区(空中写真)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
古八幡遺跡の発掘調査
江津道路建設に伴い、1998年に発掘調査された古八幡付近遺跡9区(約1,700平方メートル)で、弥生時代中期中葉から後期初頭にかけての竪穴建物跡3棟、掘立柱建物跡1棟、環濠1条が発見されました。発掘調査された場所は丘陵の先端で、竪穴建物跡や掘立柱建物跡は、ほぼ同じ標高で丘陵をめぐるように建てられ、その下側に環濠がめぐっています。周辺の調査から、標高約60mのこの場所に営まれた環濠を伴う集落は、弥生時代後期になると低地へ移っていったと考えられています。
古八幡付近遺跡9区(空中写真)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
古八幡付近遺跡の出土品
環濠の中から弥生土器が出土しました。注目される出土品に塩町式土器の甕があります。塩町式土器は弥生時代中期後半に広島県北部で使用されていた土器です。古八幡付近遺跡の集落と広島県北部との交流を物語る出土品です。この他に石見地域では出土例が少ない分銅形土製品が出土しています。
古八幡付近遺跡から出土した遺物
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
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