青木遺跡
所在地:島根県出雲市東林木町
青木遺跡は出雲平野の北側、斐伊川が島根半島の北山山系にぶつかり東へと流れを変えるあたりに位置し、弥生時代から江戸時代までの複合遺構です。発掘調査では隅がごくわずかに突出した四隅突出型墳丘墓をはじめ弥生時代から古墳時代までの墳丘墓が12基みつかったほか、大型の「見る銅鐸」につく飾耳の破片が出土して注目された遺跡です。現在、埋め戻して保護した場所には、四隅突出型墳丘墓が復元されています。
青木遺跡(空中写真)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
青木遺跡の発掘調査
2001年から2004年に国道431号東林木バイパスの建設のために発掘調査され、四隅突出型墳丘墓が4基、方形貼石墓4基、円形貼石墓1基、小規模な貼石区画3基の合計12基の墳丘墓がみつかりました。このうち四隅突出型墳丘墓である4号墓と方形貼石墓の6号墓は弥生時代中期後葉に造られた墓で、四隅突出型墳丘墓の出現期にあたります。次いで円形貼石墓10号墓と方形貼石墓11号墓が後期初頭に造られました。その後、後期前葉から中葉にかけては貼石墓がつくられ、後期後葉になると3基の四隅突出型墳丘墓がつくられました。このように青木遺跡では一遺跡内での墳丘の変化を追うことができる貴重な発見となりました。また、四隅突出型墳丘墓の発生地とされる広島県の三次盆地と同時期に出雲平野でも四隅突出型墳丘墓が造られていたことが確認されたことも重要な発見となりました。
青木遺跡1号墓(四隅突出型墳丘墓)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
青木遺跡4号墓(四隅突出型墳丘墓)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提
青木遺跡の出土品
青木遺跡では弥生土器をはじめ多くの出土品がありましたが、とりわけ注目されるのは銅鐸の破片です。この破片は近畿式銅鐸の縁辺に付く「双頭渦文飾耳」と呼ばれる飾耳です。壮年の女性の人骨の頭部から約10センチメートル離れた場所で出土しました。大きさは全長6.05センチメートル、高さ3.55センチメートル、厚さは4ミリメートルあります。この飾耳が付いていた銅鐸は高さが60~70センチメートルと推定され、後期前葉ごろに製作されたと考えられます。人骨に銅鐸の破片が伴うことは珍しことから注目されます。
青木遺跡から出土した銅鐸の飾耳
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
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