第1回古代歴史文化賞決定記念講演会+特別対談を開催しました。
場所:くにびきメッセ多目的ホール(松江市学園南)
概要
◆主催者あいさつ(島根県知事)
◆古代歴史文化賞受賞者紹介(古代歴史文化賞選定委員平川南氏)
◆来賓あいさつ(島根県議会副議長)
◆第1部:古代歴史文化賞受賞者による記念講演
大賞受賞都出比呂志(つでひろし)氏「大和政権と出雲」
しまね賞受賞関和彦(せきかずひこ)氏「知られざる出雲」
都出比呂志氏
弥生時代の出雲の特徴的な四隅突出墓について、方形周溝墓から発達した墓制であること、古墳時代、出雲では全国で主流となる前方後円墳と異なる前方後方墳が採用されるが、これは大和政権が地域の有力首長の連合政権的性格を脱することができなかったためであるとされました。
関和彦氏
オオクニヌシとスクナビコナの縁を取り持ったクエビコは案山子の古名であり、出雲は案山子発祥の地である!との講演がありました。
◆第2部:漫画家の安彦良和氏と関和彦氏による特別対談「古代出雲の大地に立つ!!」
安彦さんから関さんに対して、記紀と出雲国風土記の神話が異なっているのは何故か?また関さんからは安彦さんに対して、画くことと神話の関係について質問が出され、それぞれの意見が交わされたいへん盛り上がりました。
第1回古代歴史文化賞決定記念シンポジウムを開催しました。
日時:平成25年11月17日(日)14:30から17:45まで
場所:よみうりホール(東京都千代田区有楽町)
概要
◆主催者あいさつ
◆古代歴史文化賞(大賞)受賞者都出比呂志(つでひろし)さんへ知事から賞の贈呈がありました。
◆地域賞の、みえ賞・なら賞・しまね賞・みやざき賞は各県から贈呈されました。
◆続いて、古代歴史文化賞(大賞)受賞者都出比呂志さんによる記念講演がありました。
◆続いて、「日本の始まり出雲・大和・日向・伊勢」と題したパネルディスカッションが行われました。
コーディネーター草野満代
パネラー都出比呂志(大阪大学名誉教授)
金田章裕(選定委員会委員長、人間文化研究機構機構長)
三浦佑之(立正大学教授)
広瀬和雄(総合研究大学院大学名誉教授)
パネルディスカッションでは、「国家とはなにか」「国家はどのように成立したのか」「“中央”と“地域”の関係はどのように変遷したのか」といった問題について盛んに議論がかわされました。そのなかで、「時代背景にあわせて、国家の仕組みは様々に変化してきた」、「古代のありようを考えることは、現代、未来のありかたを考えることに繋がる」などの重要な指摘がなされました。「日本の始まり、古代の歴史文化を学ぶことをきっかけに、これからの未来を考えよう」というメッセージのこもった、内容の濃いディスカッションが繰り広げられました。
◆最後に、記念コンサートとして、バイオリニストの川井郁子さんの演奏があり、大盛況の内に終了しました。
9月9日、「第1回古代歴史文化賞」受賞作品が決定されました。
島根県・三重県・奈良県・宮崎県四県が連携して創設した古代歴史文化賞の選定委員会が9月9日に東京で開かれました。
その結果、以下のように受賞作品が選定されました。
<古代歴史文化賞>
「古代国家はいつ成立したか」/岩波書店
著者:都出比呂志(つでひろし)
概要:考古学の立場から、国家の形成過程を解き明かした作品。弥生時代から飛鳥時代の発掘調査成果をもとに、古墳時代に初期国家が成立したことを明快に説く。
<古代歴史文化みえ賞>
「古事記はいかに読まれてきたか<神話の変貌>」/吉川弘文館
著者:斎藤英喜(さいとうひでき)
概要:古事記がどのように読まれ、解釈されてきたかを丁寧に探求した作品。本居宣長を起点に、時代をさかのぼりながら記紀研究を追跡し、古事記成立の謎にも迫る。
<古代歴史文化なら賞>
「道が語る日本古代史」/朝日新聞出版
著者:近江俊秀(おおみとしひで)
概要:「道」に関わる技術や制度などを切り口に、最新の発掘・研究成果をふんだんに活用して、古代国家の仕組みや社会の変動を読み解く作品。
<古代歴史文化しまね賞>
「古代に行った男ありけり」/今井出版
著者:関和彦(せきかずひこ)
概要:古代出雲を中心に、古代びとの心象風景を叙情豊かに描く作品。古代史に加えて民俗学や国語学の視点を交え、神社・遺跡・神話伝承地などを訪ね歩く。
<古代歴史文化みやざき賞>
「古事記を読みなおす」/筑摩書房
著者:三浦佑之(みうらすけゆき)
概要:古事記神話を語り口調でわかりやすく読み解く。「古事記は権力者のための歴史書」という説を批判し、古事記成立の背景についてあらたな説を展開する。
選定委員会後、記者会見が開かれ、数多くの取材の方々が集まりました。
受賞された5作品の著者の皆さん
受賞者と各県知事・知事代理、選定委員長
受賞者を撮影する取材陣
島根県は、「古代歴史文化賞」を創設しました。
古代歴史文化の学問的基礎が踏まえられつつも、一般読者にとって読みやすくおもしろい書籍のうち最も優れたものを表彰します。
目的
古代歴史文化に関する書籍を表彰することを通して、国民及び県民の歴史文化への関心を高めることを目的としています。
受賞書籍の決定
有識者、新聞社などが推薦した作品のなかから、古代歴史文化賞選定委員会において受賞作品を選定しています(一般公募は行っておりません)。
賞の内容
古代歴史文化賞1点(副賞100万円)
古代歴史文化みえ賞・なら賞・しまね賞・みやざき賞各1点(副賞30万円相当)
対象書籍
古代歴史文化に関する書籍であり、選定の直近3年度に出版された初版で、書店等で販売されているもののうち、次に掲げる要件を概ね満たすもの。
1「古事記」「日本書紀」「万葉集」「風土記」などの記述が書中で扱われているものであること
2学問的基盤に基づいていて、しかも一般読者にとって平易であって、かつ興味をそそられるものであること
3空想的なもの、フィクションでないもの、かつ専門家向けの学術書・専門書でないこと
4特集・テーマの一部として雑誌に掲載されたものではないこと
5単著であること
問い合わせ先
お問い合わせ先
文化財課
島根県教育庁文化財課 〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎) TEL 0852-22-5880 FAX 0852-22-5794 E-mail : bunkazai@pref.shimane.lg.jp ・文化財愛護協会のお問い合わせは、 TEL 0852-22-6725 E-mail : shimanebunkaaigo@pref.shimane.lg.jp ・銃砲刀剣に関するお問い合わせは、 TEL 0852-22-6612 E-mail : juhoutouken@pref.shimane.lg.jp