特定外来生物セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモにご注意ください
- セアカゴケグモ及びハイイロゴケグモは、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)の規定に基づき、「特定外来生物」に指定されています。
- 「特定外来生物」とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます
- 全国各地で発見例があり、特に港湾地域やそれに隣接する地域で多く発見されています。
- 島根県内では、平成27年からセアカゴケグモが見つかるようになり毎年発見例があります。なお、ハイイロゴケグモはまだ県内では発見されていません。
- セアカゴケグモのリーフレット(環境省外来生物対策室作成)(外部サイト)
(背面)(腹面)
(背面拡大)
(セアカゴケグモの雌と巣)
(セアカゴケグモの雌と卵のう)
- セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモは「特定外来生物」に指定されているため、個体や卵のうを生きたまま運搬することが禁止されています。
- セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモやその他の外来種について、もっと詳しく知りたい方は、環境省のホームページをご覧ください。
- 環境省「日本の外来種対策」ホームページ(外部サイト)
セアカゴケグモはどんなクモ?
- オスとメスで姿が異なっており、毒をもっているのはメスです。オスも毒を持っていると思われますが、体が小さいため牙も小さく、人間の皮膚を咬めないと言われています。
- メス(成体)の体長は約7~10mm(約1cm)で腹部は丸い形をしており、全体的に黒く、つやがあります。(体長とは、頭部の先から腹部の先までの長さであり、足の長さは含みません。)
- メスの腹部の背面には、直線状あるいはひし形を二つ並べたような形の赤い線があります。
- メスとオスの共通の特徴として、腹部の腹面には砂時計のような赤い模様があります。
- オスの体長は約4~5mmで、色が地味で大きさも小さいため見つけることが難しく、メスと共に見つかることが多いです。
- オスは前足の部分に生殖器があり、膨らみがあります。メスにはこれがありません。オスだけでは繁殖できません。
- セアカゴケグモの繁殖について詳しいことは分かっていませんが、近縁の仲間のクモでは、メスが交尾をかなり早い成長段階で終えてしまい、その後、メスが移動して複数回産卵ができるそうです。セアカゴケグモについても、オスとメスとが同時に見つからなくても、生まれた場所で交尾し、別の場所で産卵は可能だと思われます。
- 卵のうの色は乳白色又は黄褐色で、約200個の卵が入った球形の袋です。直径約0.5から0.8センチメートルです。卵の数の約1割が生き残ると言われています。
- 攻撃性は高くありませんが、素手でつかむなどすれば咬まれることもあります。
- 咬まれた場合は、痛みや腫れを引き起こし、場合によっては重症化し、吐き気や腹痛などの症状が現れることがあります。
- セアカゴケグモの写真はこちらをご覧ください。→保健福祉局医療衛生推進室衛生環境研究所(外部サイト)
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモのすみかは?
- 人工的な場所を好み、地面近くの隙間やくぼみなど直接日光や雨風が当たらない場所に巣をはります。
- 巣は一般的なクモの巣ではなく、不規則な形で、糸には強い粘りけがあります。
- 島根県内でこれまで発見された場所としては、建物外壁の隙間、道路側溝(金属、コンクリート製)、建物扉下部の隙間、エアコン室外機の中、ベンチの裏側、工事用カラーコーンの中、バリケードの単管パイプの中などです。
- プランターや庭に置かれた靴の中などに営巣することもあります。
- 屋外に置かれていた傘、衣服、おもちゃ等に付着して屋内に持ち込まれる可能性があります。
- 自動販売機の下に潜んでいることもあります。
- 車に付着して移動・拡大するため、現在は見つかっていない場所でも、今後見つかる可能性があります。
- 小さな昆虫などのエサが豊富な場所を好み、好条件の営巣場所では、夏の間に何度か産卵と孵化を繰り返し、一気に数が増えることがあります。
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモを見つけたら
セアカゴケグモは、有毒であるため咬みつき被害に注意が必要です。セアカゴケグモと思われる個体を見つけた場合は、すみやかに駆除し、最寄りの市町村または保健所へご連絡ください。
駆除するときは、絶対に素手では触らないで、次のことに注意してください。
- 長袖、長ズボン、長靴など素肌を出さないようにし、軍手など手袋をすること。
- 家庭用殺虫剤(ピレストロイド系殺虫剤)を噴霧するか、靴で踏み潰すこと。
- クモに触る場合は、死んだクモであっても火箸や菜箸、ピンセットなどを用いること。
- 卵のうに対しては、殺虫剤の効果が十分でないので、棒きれなどでクモの巣ごとからめ取り、ビニール袋に入れて完全に踏みつぶすか、その場で焼却すること。
- 付近にも潜んでいる可能性があるため、セアカゴケグモの営巣しやすい場所について点検し、手の入らない隙間などは殺虫剤をまいて駆除してください。
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモを拡散しないために
セアカゴケグモが生息している地域からの車での移動や貨物の運送のときなど、セアカゴケグモが車や荷物に付着した状態で移動しないようご注意ください。
セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモに咬まれたときの症状と処置
症状について
- ほとんどの場合、咬まれた瞬間に針で刺されたような痛みを感じます。
- その後30分から40分して、鈍い痛み、熱感、赤み、腫れ、発疹、発汗(傷口の周辺)が現れることがあります。
- 重症化することはまれですが、咬まれてから1時間程度で全身の症状として、激しい筋肉痛、けいれん、吐き気などが現れることがあります。
咬まれた時の応急処置方法について
- 咬まれた部位の余分な毒を温水や石けん水で洗い落します。
- 出血がある場合は、ガーゼ等で軽く押さえてください。包帯や止血帯で強く圧迫することは、逆に痛みを増強させることになるため避けてください。
- 傷みがきつい場合は、刺された部分を冷やすと痛みが緩和します。
- すみやかに医療機関に受診してください。できれば、咬まれたクモの種類がわかるように、殺したクモを病院へ持参してください。
間違いやすいクモ
島根県には、セアカゴケグモやハイイロゴケグモ(ゴケグモ類)によく似た在来のクモもたくさんいます。
背中側の模様は似ているクモもたくさんいますが、特にセアカゴケグモと同じヒメグモ科のクモとは間違いやすいです。
ゴケグモ類と区別する上で一番重要な特徴として、腹面側に見られる赤い模様の有無や形で見分けることができます。
間違いやすいクモは以下のとおりです。
- オオヒメグモ(メス)
- ズグロオニグモ
その他、イエオニグモ、ジョロウグモなど
お問い合わせ先
自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)