「大膳原」のススキの原(奥出雲町)
大膳原から吾妻山を望む
島根・広島県境にある「吾妻山(あずまやま)」は標高1,239メートルで、比婆道後帝釈(ひばどうごたいしゃく)国定公園の西端に位置しています。広島県の国民休暇村「吾妻山ロッジ」(閉鎖中)の横から登り、山頂で引返すという人が多いのではないでしょうか?でも、それはもったいない!山頂からちょっと足を伸ばせば、そこに「大膳原(だいぜんばら)」が……。
【吾妻山山頂】
【吾妻山から見た大膳原】
【吾妻山の紅葉】
大膳原は、吾妻山と烏帽子(えぼし)山の間に広がる草原で、以前は牧場があったということです。大膳原から眺める吾妻山の姿は美しく、春〜秋にかけて、様々な野の花が咲きます。
秋の大膳原は、リンドウ、カワラナデシコ、ウメバチソウ、ワレモコウなどの花とともにススキの原が広がり、牧歌的な雰囲気の中に秋を感じることができます。ススキの原は、昔は平野部でも見られましたが、外来種のセイタカアワダチソウ(ススキと同じ頃に黄色い花をつけて群生します)の広がりによって、あまり見かけなくなりました。
【ススキ】
【キキョウ】
【カワラナデシコ】
島根側の登山道(中国自然歩道)が便利!
大膳原へは、県道25号線(玉湯吾妻山線)の終点にある駐車スペース(奥出雲町)に車を停めて、中国自然歩道を歩いていくのが近道です。坂道を約1km、40〜50分も登れば、広島県境の「横田別(よこたわかれ)」で吾妻山〜烏帽子山を結ぶ歩道と合流します。右(吾妻山方面)に進めば、すぐに大膳原です。
しまね自然公園ガイド(「比婆道後帝釈国定公園吾妻山エリア」のページ)
【大峠登山口(トイレ有)】
【県道終点の駐車スペース】
【この橋から先は歩いて登る】
【この先車両通行不可】
【横田別の案内標識】
【横田別の案内図】
大膳原で休憩はいかが?
大膳原の歩道北側には、大膳原野営場(キャンプ場)があります。駐車場から遠く、電気もないですが、自然の大懐でキャンプを楽しむことができます(注:テント等の貸し出しは行っておりません)。
夏場を中心に、子どもたちの教育キャンプや、泊付きで登山・散策する場合の中継地として利用されていますが、日帰り登山の途中、休憩所、トイレ、水場を利用することも可能です(注:水洗式のトイレは、凍結防止のため冬季は閉鎖します)。
【問合せ先:奥出雲町地域振興課電話:0854-54-2524】
【キャンプ場入口】
【キャンプ場から吾妻山を望む】
【休憩所】
豆知識〜秋の七草について
ススキもナデシコも「秋の七草」の1つです。ところで、「秋の七草」は、いつどこで決まったものでしょうか?その歴史は意外と古く、8世紀に山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ2つの和歌(ともに「万葉集」に収録)が源となっているようです。
「秋の野に咲きたる花を指折り(およびをり)かき数ふれば七種(ななくさ)の花」
「萩の花尾花(おばな)葛花(くずはな)瞿麦(なでしこ)の花
女郎花(おみなえし)また藤袴(ふじばかま)朝貌(あさがお)の花」
Q1:あれ、「ススキ」がありませんね?
A1:いえいえ、「尾花」=「ススキ」なんです。
Q2:おや、「あさがお」の花が入っていますが、これって夏の花では?
A2:「あさがお」が何の花かは諸説あるようですが、小学校の時、種から育てたあの「朝顔」ではなく、「キキョウ」のことである、というのが有力です。
【クズの花】
【ハギの花】
【オミナエシの花】
春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)は、七草粥(がゆ)にして食べたりしますが、食欲の秋といえども、秋の七草は、食べられませんので、お間違えのないように。
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自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)