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出雲神話を求めて歩く名勝「静之窟(しずのいわや)」

大田市指定天然記念物

 静之窟は、島根県大田市静間町魚津の海岸に存在する海食洞(奥行は約45m、高さは約15m)です。6月18日に邑南町の「志都の岩屋(しずのいわや)」をご紹介しましたが、実は、出雲神話において大己貴命(おおなむちのみこと)(若いころの大国主命の名前)と少彦名命(すくなひこなのもこと)が国造りの際に石窟を仮住まいとしたという伝承(万葉集に詠まれている「志都乃石室」の伝承)が、ここ大田市の静之窟にも残るのです。

 写真でも分かるとおりこの静之窟は、奥行きのある洞窟であり、まさに国づくりの策を練る神々の仮住まいにふさわしいのでは?と思うのですが、みなさんいかがでしょうか。

 周辺の海岸は、砂鉄が多く含まれている砂浜が広がっており、昔は、ここでもたたら製鉄が行われていたそうです。その証拠にたたら製鉄の残骸である「鉄宰(てっさい)」(俗にいう金くそ)が方々に散らばっていて、今も容易に見つけることが出来るのです。

静之窟の前には、地元の方達によって造られた立派な鳥居が立てられており、地域の宝として大切に守られています。訪れる際にはこの鳥居が目印になるでしょう。

更に近くには、県指定の天然記念物となっているハマナスの国内西限地「近藤ケ浜ハマナス自生地」もありますが、5月のゴールデンウィークごろに淡い赤色の花をつけます。

 

 万葉集に詠まれている「志都の石室」は一体どこなのか、邑南町と大田市の名勝地を訪ねて歩く「出雲神話のロマンを求める旅」をしてみてはいかがですか?

 

 平成21年11月22日山陰中央新報りびえーる掲載

 

 

志都の岩屋 大田市静之窟 大田市静之窟の地図

  邑南町志都の岩屋大田市静間町静之窟 大田市静間町静之窟の周辺地図


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