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カジカガエルの鳴き声

 清流にすみ、美しい声で鳴くため、古来より日本人に愛され、「河鹿」として、和歌にも詠まれてきたカジカガエル。

 「河鹿」の由来は、その鳴き声が雄鹿に似ているために、「河の鹿」と書くようです。

 美しい鳴き声とは対称的に、その姿は灰褐色の平べったく目立たないカエルです。体長はオスが約4cm、メスが約7cmとメスの方がかなり大きくなります。

 

 オスは、繁殖期の5〜8月ごろに、水面から出た石の上で、盛んに鳴いてメスを呼びます。

 このカエルは、手足の吸盤が発達しているため、流れの速い渓流沿いの岩などに張り付くことができます。また、山地の清流域や渓流、その周辺の森林など自然度の高い清澄な河川に生息しているため、河川の汚染度を測る指標動物にもなっていますが、全国的にも水質汚濁などによる生息環境の悪化で減少傾向にあります。

 

 こんなカジカガエルの鳴き声が、出雲市立鰐淵小学校猪目分校(出雲市猪目町425-1)前を流れる「猪目川」で、8月初旬まで楽しめます。同校では、カジカガエルを守るため、昭和62年から実に21年間にもわたり観察・飼育・放流活動を継続して行っています。同校のホームページ(外部サイト)には、活動の様子や研究成果が紹介されており、さらにはカジカガエルの鳴き声を聞くこともできます。

 

 猪目川の河口付近には駐車場があります。エンジンを切って、耳をすましてください。川のせせらぎとカジカガエルの美声からなるハーモニーを楽しめます。


※「カジカガエル」は、水質汚濁や河川改修工事などによって生息環境が悪化しているため、生息域が限定され、その数も減少傾向にあります。このため、しまねレッドデータブック(絶滅のおそれのある野生動植物)で、「準絶滅危惧種(存続基盤が脆弱な種)」となっています。

 

※鰐淵小学校猪目分校の児童や先生、地域住民の方々が、長い間にわたりカジカガエルの保護活動をされていますので、「猪目川のカジカガエル生息地」は、「みんなで守る郷土の自然」に選定されています。

(りびえーる掲載日平成20年6月22日)


 猪目川のカジカガエル

※猪目川のカジカガエルの位置情報


カジカガエルの写真
※カジカガエルの写真
 

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