県内大学生による起業家情報の発信事業
県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、今年度、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。
なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。
起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。
取材先
株式会社シマネプロモーション
創業者
三浦大紀様
都市と地方のつながり提供者
2014年、島根県にUターンした三浦大紀さんが、地元の浜田市で立ち上げたシマネプロモーション。地方の事業者でも一流デザイナーの広告などの作成を可能にし、地方と都市との架け橋を築きました。同時に、地元企業に対して、新しい取り組みを行うための‘‘きっかけ‘‘を様々な形でつくり出しています。同社の創業者である三浦さんに、これらのビジネスの背景やこれからの展望について聞きました。
■どんな事業を行っておられますか。
事業内容は大きく分けて企画業と、島根に根付いたお土産品の包装を手掛けるYUTTE(ユッテ)のような自社サービスの2つです。企画業は、企業からの依頼を受けてデザイン、広告などを作成します。依頼通りに‘‘きちんと伝える‘‘ことを重視しています。自社サービスのYUTTEでは、包装、箱にもこだわりを込め、‘‘メイド・イン・島根‘‘を作り上げることで、1つひとつの品の価値を高めようと事業を展開しています。
■起業されたきっかけを教えてください
東京から島根に戻ってきた際、地元の浜田市にはすぐに戻りませんでした。浜田市の隣にある江津市のビジネスプランコンテストを機に、江津市のNPO法人てごねっと石見に在籍したんです。地元ではなく、‘‘ほぼUターン‘‘という形をとり、江津市でもコミュニティを築いたことで、浜田市でもよりスムーズに起業することができました。‘‘ほぼUターン‘‘という形で活動した経験は自分の中でも大きいものでした。
■起業して、どんなことが大変でしたか?
そうですね、自分で会社を切り盛りすることは初めてのことだったんです。設備の面や数字の見方など当たり前のことを知らずに指摘されることもよくありましたね。でも、てごねっと石見に在籍していたことで、「まちづくりは民間もやっていく時代」ということを実感しましたし、そこでの経験が大きな糧となっています。今は、仲間に助けてももらいながら、企業運営ができています。
■将来はどんなふうに考えておられますか?
主に考えているのはこれまでやってきた自社サービス、YUTTEとHariyamaProductions(アウトドアブランド事業)の安定化ですね。会社を立ち上げて5年ですし、新たな商品をつくり、一層の信頼を高めていきたいです。新たな自社サービスを作ることとも積極的に考えていきたいです。仲間が必要です。思い描く構想はあります。これからも挑戦し続ける会社でありたいです。
■会社概要
・設立年・・・ 2014 年
・会社名・・・株式会社シマネプロモーション
・代表取締役社長・・・三浦卓也
・創業者・・・三浦大紀
・住所・・・島根県浜田市牛市町75
・事業内容
広告代理店として地方と都市部をつなげているほか、島根に根付いた工芸品や食品を詰め合わせてオリジナルの引き出物にする自社サービスYUTTEを展開している。見過ごされることの多い町の魅力を掘り下げ、解決策を提案することがモットー。
・HP・・・http://shimapro.net/(外部サイト)
■取材後記
(島根県立大学)大谷明広
私も今回取材を行った三浦大紀さんと同じ浜田市出身で、さまざまな活動を知る機会も多くありました。そんな中、今回の起業家取材で三浦さんにお話が聞けるのも何かのきっかけではないか?と感じながら、取材に挑みました。終えてみると、自分が知りたかった会社の情報だけでなく、今後の人生に役立つ生き方も教わることができました。言葉で表現すると「この方はなんでも挑戦できる人なんだな!」という一言でした。三浦さんとは対照的にずっと地元にいる私は質問の最後に「都市部など外に住むことはやはり必要ですか?」と尋ねました。すると、三浦さんは「いろいろな人と話してみることが大事で、都会はその確率が高いだけですよ」とおっしゃいました。地元では関われる人というのも限られてくると感じていた私にとっては、地方からでもコミュニティを構築できるんだ!という勇気をもらった部分もありました。話すまではただの他人同士ですが、話してみて互いに意思疎通する場合がほとんどです。私も三浦さんのような人間になれるかはわからないですが「三浦さんのような人になりたい!」「この人かっこいいな!」と話を聞いた誰もがそう思える。そんな方でした。
お問い合わせ先
中小企業課
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