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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 武田正文様

 

「自分の想いは仏教に」日本文化の発信と子どもたちに向き合う

武田正文氏

 

 邑南町の高善寺にて副住職としての顔をもち、時にはカウンセラーとして人の悩みや相談に向き合い、時には先生として学生に勉強を教え、時には伝統文化を守り、ロックな一面も。お寺にいながらもいろいろな顔をもつ武田正文さん。仏教とともに生きながら、心理、文化、芸術、伝統、教育など様々な分野で活躍されている同氏になぜそこまで他分野かつ広範囲に活動できるのか。その真意を聞きました。

 

■事業内容を教えてください

 本職は高善寺の副住職ですが、広島の仲間と共に日本文化を勉強し、発信していく「一般社団法人MyJapan」を立ち上げました。所属する職人やアーティストの特技を聞いて発表する場を、仲間と力を合わせて作っています。

 またこの地域は塾がないので社会貢献と思って寺子屋も始めました。勉強の得意な大人を集め、勉強のやりたい子にはもっと難しい事させて、苦手な子は一緒にケアしていくことをしています。基本的に好きなことだけをしています

 

■活動のきっかけはなんですか?

 一般社団法人MyJapanは、大学の友達とサークル感覚でやっていたのを、大人になっても続けていて。最初は事業ではなく「楽しいからいいか」でやっていました。寺子屋はもともと教育学部にいたので教えることが大好きでやりたかったことだったんです。ですが1人じゃできないなと思っていたので、近くに住む勉強できる友人と、「試しに2人でやろうか」というきっかけから今も続いている感じです。全て1人でやっている感じはなくて助けてもらいながらやっています。地方でも1人ではないし、邑南町からたたかえますよ。

 

■将来のビジョンや展望はありますか?

 自分の想いのベースには仏教があります。仏教はどうやって生きていけばいいのかというのを昔から考えています。これから時代が複雑化して日本文化の継承が難しくなる中でそこを仏教のお寺が担うことはすごく意味があり、お寺という枠にとらわれず新しいことを作っていってそのベースには「みんなの幸せにはこんな体制が必要だよね」と集約され「お坊さんが色んな事をして困っている人の力になるのは当然だよね」って思ってもらえるような雰囲気が出たら嬉しいです。

 

■新しいことを始めたい若者にメッセージをお願いします。

 やりたいって早い段階で思うことはいいことなので自分の好きなように楽しくやったらいいと思います。やりたいことや、好きなことを探していたらそれが自然に事業になります。仲間の中で得意不得意あると思うので、若いうちに自分の何が得意で何が不得意か自分に向き合い一人でやらないことですね。何が楽しくて何が苦しいのかわかっておくことは大事です。まぁ楽しくやってください。これからはおもしろい時代になっていきますよ。

 

■事業概要
【本職】浄土真宗派久喜山高善寺副住職(島根県邑智郡邑南町鱒渕107)
【事業1】一般社団法人MyJapan
(設立)2018年8月(代表理事)武田正文
(理念・目的)
MyJapanは日本文化を守るため発信、体験を行い、文化を継続するための発展を促し日本の心を後世に伝えてゆくべく活動をします。目的は日本文化や伝統を、世代を超えて共有、継承することです。日本文化を学ぶことは、日本を知り、未来をより良く有意義に過ごせると思います。


【事業2】寺子屋

(場所)高善寺(日時)毎週日曜日16~18時(科目)数学、英語、必要に応じて他教科
(内容)高善寺では、寺子屋として毎週毎週みんなで勉強しています。勉強が得意な人も苦手な人も一
緒に緒にワイワイ楽しく勉強しています。邑南町には塾がなく、少ない数の中で学習の平均を取るとなると学
校だけでは難しいので勉強のできる地域の
大人と一緒にケアをしています。

 

■取材後記

(島根県立大学)熊谷怜史

 武田さんと話していると「好き・楽しい・仲間」この3つの言葉をよく聞きました。多分野で活動されていてきっと大変な面はあるのだろうけどそれでも一人じゃなくて楽しいから次々新しい事業に展開されているのだと思いました。それでもあくまで考え方のベースは仏教にあり臨床心理士としても一人一人と向き合い誰かが喜ぶために活動されているという思いが伝わり感動しました。どの事業も仕事にするつもりではなくて社会貢献の意味合いや面白そうというワクワク感、地域のニーズ応えるためなど自分のやりたいことと事業がつながっているから自然に仕事として成り立っているのだと感じました。

 自分も地元である島根県の飯南町に貢献したいという思いがある中で、何をやるべきなのかより自分が何をしたいのか、好きなことって何だろうかと自分に問う過程を大切にしたいと思いました。取材中の”地方でも一人ではなくて、邑南町からでもたたかえる”この言葉心に残っており、地方の可能性や魅力を認識することができ今後の地域活動に意欲的に取り組んでいきたいです。

 


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
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E-mail:keiei@pref.shimane.lg.jp