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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 NPO法人bootopia

 代表理事

 瀬下翔太様

 

学生が自ら考え行動する下宿を目指して

bootopia代表理事

 

 生徒に、教育を受けさせる受動的な教育ではなく、生徒自らが主体的に発案し、行動するための教育型下宿が島根県鹿足郡津和野町にあります。NPO法人bootopiaの代表理事である瀬下翔太さんは2015年に東京から津和野町に移住し、2016年にこの教育型下宿を起業されました。地域活動のサポートや、イベントを開催するなどして、都会では体験することができない未知なる体験を求めて入居する生徒のために尽力する瀬下さんにお話しを伺いました。

 

■事業内容はどのようなものですか?

 メインの事業は下宿の運営です。生徒が寝泊まりし、起床の確認、食事の用意から就寝までの場所を提供することです。教育型下宿という名前ですが、できることとしては、学生同士が何かをやりたいとなったら、その支援を行うことです。例えば、卒業の会をやるとしたら、生徒が主導でやり、企画アドバイスをあげるということをしています。あくまでも、スタッフはサポート役に回り、学生たち自らで考えることを目標としています。

 

■起業されたきっかけを教えてください。また、どうして、津和野町で起業しようと思ったのですか?

 初めて、津和野町に来た時に、大学のAO入試の指導を頼まれました。津和野高校の生徒は、地域のイベントへの参加など郊外活動が入試でも評価されていました。そのときに、地域活動をサポートし、入試のサポートもすることにいいなと思いました。

 起業に関しては、地域おこし協力隊制度を利用しました。そして、教育関連の仕事を続けたいと思いました。既存の仕事でやりたいことがなく、教育に携わりたかったので自分で現在の下宿の事業を始めました。

 

■実際に起業して大変だったことはなんですか?

 下宿は当初、別の旅館にありました。その旅館のおかみさんが起業して半年経った時に亡くなられました。旅館はおかみさんが切り盛りしている状態だったので、次の下宿場所を早急に探さなければならなくなりました。その時に、津和野高校の元校長が一緒に探してくださり、最初の挨拶も一緒に来てくださいました。元校長が私を「サポートする」という言葉が私の心の支えになり、今の自分があると思います。

 

■今後、起業する人へのメッセージがあればお願いします。

 大事なのは抱え込まないようにするということですね。起業するにあたり問題は絶対起きるのでそれを言っても助けてくれる人は少ないです。しかし、自分一人では絶対に解決できません。他人に言っても、解決できないかもしれないけど、助けてくれる人が1人いるかもしれないわけです。それは言わない限り誰も助けてくれません。他人に相談することは勇気がいることだと思います。でも、人に悩みを絶対に言った方がいいと私は思います。

 

■会社概要

・創業年・・・2016年

・会社名・・・NPO法人bootopia

・代表・・・瀬下翔太

・所在地・・・島根県鹿足郡津和野町後田口740

・業務内容

 2016年4月に教育型下宿を起業。下宿生の衣食住の環境を整えること。そして、下宿生の主体性を重んじサポート、アドバイスなどをする。また、進路の相談なども行っている。

・HP・・・https://bootopia.org/(外部サイト)

 

 

■取材後記

(島根県立大学)玉木圭祐

 今回、NPO法人bootopiaを取材させていただいて、まず、旅館の一部を借りて下宿にするという発想に驚きました。旅館は旅館、下宿は下宿という固定概念をなくすことによって、人口が少ない地方でお互いが有益な関係を築くことができると思いました。そして、教育型下宿の理念でもある、下宿生の自らの発想を大事にして、スタッフはあくまでもサポート役というところが、生徒が成長できる鍵なのではないかと思いました。

 私は、高校時代、地域の方々とイベントを開催したり、下宿で生活したりという経験はありませんでした。そのため、今回の取材で、高校のときから地域の方々と関わることや、自ら発案し、そのサポートをしてくれる大人が近くにいるということはとてもよい環境だと思いました。この取材を終えて、瀬下さんの教育に対す
る熱心な気持ちをとても強く感じました。今後も、下宿に入居する生徒に変わらない教育をして欲しいと思いました。


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
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