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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 株式会社シーライフ

 代表取締役

 河上清志様

 

世界に広がる株式会社シーライフ社長の人と人との繋がり方

シーライフ代表取締役

 

 株式会社シーライフは本物だけが持つ“旨味”を届けたい!という思いを持ち、浜田港で水揚げされた鮮度抜群の魚介を使って商品開発・製造・卸売・小売の全ての事業を行っている。他にも島根県のふるさと納税の返礼品の提供、さらに首都圏を中心に30種を超える缶詰を開発・販売しているのも特徴の一つである。全国で唯一無二の缶詰を製造し続ける河上清志社長に事業理念や株式会社シーライフの今後の展望などについてのお話を伺った。

 

事業理念を教えてください。

 「いい会社を作りたい。人生を楽しもう」です。当初理念はなくてただどんぶり勘定の商売で、2・3人でがむしゃらに始めました。作った理由は簡単で今まで二社渡り歩いたんだけど、従業員に対して扱いがひどくてね。社長は偉いんだと。自分はそんな会社を作るまいという思いでこの理念を作ったんです。だけど最初は威張ってあれやれこれやれって言ってたね。そうしてると会社が伸びないって分かって改めて理念を大事にしようと思いました。

 

起業されたきっかけは何でしたか。

 きっかけはどんちっちブランド戦略会議の会長の渡邉祐二さんとの出会いです。当時はそれぞれ自分の会社のこともあって、みんな本気でやってくれなかったんだよね。その時ブランド戦略会議会長の渡邉さんから一緒にブランドを作ってくれないかとお話を頂いたんです。その出会いから漁業関係のフェアやイベント参加のお手伝いをしていました。その後独立しようと思った時に渡邉さんが漁業関係者に工場探し、仕入先の紹介など後押しをしてもらい起業しました。

 

■起業されて大変だったことを教えてください。

 人を使うことですね。社員の不満が募り従業員が2人になったこともありました…。その時やっと人を大切にしないと会社は育たないと気が付いたんです。会社はお金とか設備、建物で大きくなるんじゃないんだって。できる範囲で働きやすく、実力を発揮してもらう為に考えるのが社長の役目だと。その時残ってくれた事に感動したし一生涯社員を養おうと思っています。自分のためにって考えるより、社員のためにと思うと頑張れます。

 

■将来のビジョン・今後の目標について教えてください。

 廃棄物の商品化です。のどぐろの50%、うちわエビやカニの80%が頭や内臓、殻で廃棄しています。チャンスがないと魚が売れないとか言ってますけど考えようですよね。以前出雲の布団乾燥の会社の方と話すことがあって、新事業で材料を粉末にする機械を導入したみたいで。世間話をしているうちにうちの殻や頭を粉末にしてもらうことになったんです。現在その粉末で煎餅やラーメンの試作をしています。世間話をすると新しい発見や事業が始まるきっかけになるんです。

 

■会社概要

・創業年・・・2006年1月1日

・会社名・・・株式会社シーライフ

・代表取締役社長・・・河上清志

・所在地・・・島根県浜田市原井町907-2

・業務内容

 浜田を中心に水産物の干物、みりん干しを製造している。のどぐろを原材料にした缶詰やふりかけなども多数扱っており、のどぐろやあじの缶詰など他にはない商品をつくっている。現在他社との協力で、加工工程において廃棄となるエビの殻や魚の頭を使ったラーメンや煎餅を作る、廃棄物の再利用する活動も行っている。

・HP・・・http://sealife-hamada.net/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根県立大学)鎌田美香子

 今回ヒアリングを通して河上社長のサラリーマン時代の経験やご縁があるからこそ今の会社があると感じました。どんな事業をされてるんですか?という世間話から共同で事業が始まることがあるというお話を聞かせていただいて驚きました。

 私は今まで新しい事業を始める時は、お話を聞いたように突発的に始まるものだとは思っておらず、時間がかかるものだと考えていました。しかし、人と人とがつながるために世間話というのは大切なツールであり、何かが始まるきっかけにもなりうることがこのお話を聞いて再確認できました。今後私もコミュニケーションを大切にして人とのつながりを広げていきたいです。

 私は昨年のゼミナールの活動で「浜田市沖合底曳き網漁業の存続に向けた提言」の研究しており、浜田市の水産業に興味があり今回取材させていただきました。浜田市から、全国・世界へ進出している会社があるということはとても素晴らしく誇りに思います。

 

取材風景1取材風景2


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