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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 Rope

 代表

 大畑蘭

 

故郷・大田市と子供たちに寄り添うイラストレーター

rope代表

 

 島根県大田市大田町、ここにデザイン個人事務所Ropeがあるのをご存じだろうか。代表を務めるのはイラストレーターの大畑蘭さん。地元である大田市でイラストレーション制作や絵画教室などから地域に根差した活動を行っており、絵画やモノづくりを通しての子供の教育など、活動はデザイン業だけにはとどまらない。「何事にも真摯に向き合いたい」。そんな熱い想いを持つ大畑さんにRopeが生まれるまでの背景などを聞いた。

 

■事業内容を教えてください

 事業内容は大きく分けて、「イラスト・デザイン」「絵画教室」の2つです。絵画教室は子供を対象として毎週土曜日に行っていて、絵を描くことはもちろん、地域のイベントで出店したり川遊びに連れて行ったりと子供たちのやりたいことをできるだけ叶えてあげられるような活動をしています。自分たちで発案ができるというのは思考的なところですごく大切なことだと思いますし、そんな子供たちになってほしいという想いがあります。

 

■起業の経緯について教えてください

 子供のころから絵を描くことが好きで、仕事にしたいと思うようになったきっかけは高校生の時に高校総体大田会場のポスター原案に応募をしたら採用していただけたことです。地域の中で自分の作品が使ってもらえるというのが良い経験になりまして、大田市でデザインの仕事をやってみたいと思うようになりました。芸大卒業後、社会のことを学ぶために鳥取で映像関係の仕事に就き、その後故郷大田市に戻って今の事務所を設立しました。

 

■起業して苦労したことはありますか?

 7年前に大田市に帰ってきて、初めの5年間は事務所も資金もお客さんの頼りもなく本当にゼロからのスタートでした。最初は顔を知ってもらうために一人一人挨拶に行って、それが他の住民の方に広がってお仕事をつないでいただくこともあり、地域の方に支えていただいたというところですね。私がこの町で過ごしたのは幼少時代で、町がどのように動いているかなんて知らなかったので、周りからしたら苦労かもしれないですが私はそれがすごく楽しかったです。

 

■今後の展望を教えてください

 何かやりたいなっていうパワーを持っている人と一緒に仕事をやっていく、そうやって声をかけてくれる人は絶対に地域を良くしようとしている人達なので良い関係でいたいですし、断らないでいたいです。また、デザインの仕事は技術向上の面で終わりがないため、そこは一つの道として真摯に向き合っていき、同じく絵画教室も子供と真摯に向き合い、絵を描いたりモノ考えたりこういう遊び方ができるよっていうことから自分たちで発案ができる大人になってほしいです。

 

■会社概要

・創業年・・・2013年

・会社名 ・・・Rope

・住所・・・大田市大田町大田ロ940

・代表者・・・大畑蘭

・事業内容

 島根県大田市を拠点に、広告デザインやイラストレーション制作、テレビCMの編集、アニメーションの制作、イラストレーションワークショップなどを行う。毎週土

曜日には子供を対象とした絵画教室を開催しており、絵を教えるだけでなく子供たちと一緒に地域のイベントやお祭りにも積極的に参加している。

・会社HP・・・https://ranoohata-rope.jimdofree.com/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根県立大学)川村桃子

 今回、Ropeの大畑さんに取材をさせていただき、私自身イラストレーターさんの絵を見るのが好きなのですが大田市にこんなに素敵なイラストを描かれる方がおられるなんて知りませんでした。お話を聞いて、デザイン業だけではないその多岐にわたる活動内容と行動力、そして「故郷大田市でデザインの仕事をする」という想いを学生のころから一貫して持っておられることにとても感心させられました。取材中も、絵画教室の活動の様子や地域活動に参加された際の写真などを見せていただきながら、とても和やかな雰囲気でお話をさせていただきました。

 また、起業はハードルの高いものだと思っていましたが、ゼロからのスタートだったという大畑さんのお話を聞いて私の中での“起業”のイメージがかなり変わりました。島根県は開業率が全国でも低いとのことですが、島根県だからこそ挑戦できる環境があると思いますし、この起業家情報発信事業を通して起業の魅力を伝えられたらと思います。

 

 

 

取材風景


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
E-mail:keiei@pref.shimane.lg.jp