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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、今年度、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 ディープランニング・オフィス株式会社

 代表取締役

 原田善元様

 

“動くスーパー”で買い物を可能に

ディープランニング・オフィス株式会社代表取締役

 

 「ディープランニング・オフィス株式会社」の事業の一環である移動販売事業。移動販売事業ですが、名前は「大工屋本舗」です。祖父が大工屋だったことからこの名前が付きました。3代続く実家の魚屋での経験や、大学時に培ったイベントノウハウを最大限に活かし、「買い物難民」のために、出雲の市街地や中山間地域、雲南市などで週5回、移動販売を行っています。代表の原田善元さんがどのような思いでこの事業を行っているのか等を聞きました。

 

具体的にどのような事業をされていますか?

 会社の主な3つの事業の1つとして移動販売を行っています。近年は都市化が進んでおり、都市部にはスーパーやコンビニなどが多く進出しています。一方で中山間地域では買い物難民が急増しており、その人たちのために食料品や日用品全般等を届ける必要があります。車が無いと買い物に行けない山奥や、市街でも買い物難民は存在しています。そこで、当日までに地域の方から要望があった物も含めた商品の準備をして、出雲市周辺で週5回移動販売を行っています。

 

■なぜ出雲市で起業しようと思ったのですか?

 地元だからです。言葉は悪いけど起業するということは将来それで生活できるのかという不安は当然あります。そういうリスクを考えながら起業しましたね。結局何をするにしてもリスクは付き物です。僕らはメリットとデメリットがあればデメリットから考えます。デメリットを減らすことが職業ですし、そういう思いで起業をしました。まずは生活出来るところからと考えていて、失敗しても頼れる所があるということで、出雲市で起業をしました。

 

■どういう思いで移動販売をやっておられますか?

 お客様に納得して頂くための商品を提供しようという思いでやっています。ご年配の人たちは年金が生活の必需品となっています。その年金で出来るだけ美味しい物を安価で手に入れたいと考えています。しかし安い、高いではなく、いいものを妥当な値段で提供しています。また、おいしいものを見極めることが大切だと思っています。日本はやっぱり旬があるじゃないですか。野菜にしても魚や果物にしてもその時々の物を選んであげるようにしています。

 

■将来のビジョンなど、今後の目標を教えてください。

 一日一日を大切にしていくしか今は言いようがないかなあ。ただ、私自身が絶対に忘れてはいけない言葉があって、「初心生涯」っていう言葉なのですよ。自分が何をしたくて起業したのか、応援してくれた方への感謝はこの先死んでも忘れちゃいけないと思っています。また、起業している以上は、出来るだけ多方面に拡大していかなければいけないと思っています。時代のニーズの中でチャンスを見つけて拡大していかなければいけないとも考えています。

 

■会社概要

・設立年・・・ 2006

・会社名・・・ディープランニング・オフィス株式会社

・代表・・・原田善元
・住所・・・島根県出雲市湖陵町大池972

・事業内容

 イベント企画、移動販売、観光案内と主に3つの事業を行っている。平成24年にあった「神話博島根」等、県内外でのイベントに携わっている。移動販売は、出雲市以外にも、広島など県外のイベントで出店し、海産物を中心とした島根県の美味しい物を販売している。観光案内でも全国各地から集まったジャーナリストに出雲地域を案内するなど、3つの事業で出雲市や島根県の魅力を発信している。

 

■取材後記

(島根大学)吉岡優希

 起業に関して常に現実的に考え、更に「初心生涯」という言葉を忘れることなく、真正面から仕事に向き合っている様子が想像できました。地域の方々に対して移動販売という仕事だけでなく、持ち前の明るく親しみやすい性格とカラカラとした笑い声で元気を届けているのだなと感じました。

 また、起業することの厳しさを知ることができました。起業をして、社長になれば従業員への給料や会社全体の資金を自分のことより優先に考えなければならないし、その上移動販売先のお客さん1人1人の要求も叶えていかなければいけないというように、常に周りの状況を把握していなければ成り立たないので、起業するには相当の覚悟が必要だと感じました。

 私は取材前、起業は自身が中心となって思い通りに事業を進めていけるものと思っていました。しかし、起業することは、常に危険予測をして、更に良いことと悪いことも全て自身が背負わなければならないということに気が付きました。私はまだ将来の目標も曖昧で、起業する覚悟もまったくないので今は起業をしたいとは思いませんが、まずは自分自身に向き合い、自己分析をして将来につなげたいと思いました。

 


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
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