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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 BARくすのき

 代表

 柴田暢樹

 

ただの呑み屋じゃない、人がつながる場(BAR)くすのき

BARくすのき代表

 

 地元の人と観光客をつなぐこと、がコンセプトのBARくすのき。モノよりも人がつながる空間の提供、という信念を胸に経営を行うのが、大阪からのIターン者・柴田暢樹さんです。「BARくすのきで人がつながり、そのことが観光客にとって西ノ島へリピートする理由になれば。」と日々の経営に奮闘する柴田さんは、2015年より2年間地域おこし協力隊の隊員として活動した経歴を持つちます。取材を通じ、Iターン起業における心構え等について聞きました。

 

■起業を意識したきっかけ、またバー経営という職種を選んだ理由を教えてください。

 起業を意識したのは、専門学校卒業後に就職した乗馬クラブで働いていた時でした。当時は理不尽な体験をすることが多く、「いっそのこと自分が社長になって会社のシステムを作りたい」という思いが、日に日に増していきました。バー経営という職種を選んだのは、自分一人からでも始められると思ったからです。それからは、練習としてバーに勤務しました。最終的には店長を経験し、お店の回し方をはじめとした起業のためのノウハウを得ていきました。

 

■起業をするに先立ち、まず地域おこし協力隊としての地域参入・そして活動を考えたのはなぜですか?

 私にとって、地域おこし協力隊での活動には、起業する上での地域調査という意味合いがありました。もともと大阪以外の場所にあまり縁を持っていなかったため、移住を考えるうえで、地域を知るのに良い方法はないかと探していました。その中で出会ったのが地域おこし協力隊の制度です。当面の仕事や生活費の保障されるこの制度は、地域の様子を知って起業の準備を進めるのに都合の良いものでした。

 

■実際に移住してみて、(移住前と比べて)西ノ島への感じ方や印象の変化はありますか?

 私は、移住先に対する印象や予想をあえて持たないようにしていました。それは、実際に移住してみて判断しようと思っていたからです。予想と実際のギャップを残念に思うことは不合理であるし、逆にネガティブな印象を持っていると、悪い部分だけ目についてしまい良くないからです。私にとって移住の目的は、あくまで起業することだったのであり、定住することではありません。だから実際に移住してからの判断でもよいと思ったんです。

 

■柴田さんの起業観とはどのようなものですか?また、これから起業を志す人たちへ、メッセージがあればお願いします。

 起業に対して、生活や財政面で不安を感じる人は多いと思います。実際、経済的な理由で有利不利はあります。しかし、これはあくまでリスクの差にすぎません。それに、不安の中で頑張らないといけないのは他の職業であっても同じで、起業だけが特別なのではありません。必要な準備していれば、誰にでも起業の実現可能性はあります。そこで、もし失敗したとしても、それは間違いに気づく機会です。だから、まずは恐れず挑戦してみるという姿勢が大事ですよ。

 

■会社概要

・創業年・・・2017

・会社名 ・・・BAR くすのき

・住所・・・隠岐郡西ノ島町浦郷 189ー16

・代表者・・・柴田暢樹

・事業内容

 二次会の場としての利用を想定しており、営業時間は 20 時から翌午前 3 時までの夜間が基本である。カウンター席とボックス席を合わせた 18 席が用意され、 50 種類以上の酒類(特にウイスキーがオススメ)を中心としたさまざまなメニューやカラオケなどのサービスが提供される。

 

■取材後記

(島根大学)北森洸希

 取材中の最後の話題として挙がったのは、柴田氏の今後の展望についてです。その展望とは、起業を志した時のように、興味のあることにチャレンジしたいというものでした。

 専門学校を卒業したのち、当時の人脈を頼りに就職した乗馬クラブで働いていく中で、起業を志すようになった同氏。それからは、入念な構想設計をしたり、BAR勤務や地域おこし協力隊の活動といった現場での経験を積んだりと、目標の実現を目指して様々な準備を行いました。起業を成功した現在の心境として、満足しているのと同時に「目標が現実味を帯びてくる快感が忘れられない、起業を果たすなかでそれ感じたからこそ、これからも興味を感じたことに挑戦していきたい。」と話されました。

 柴田氏の話を通じて感じた、「起業」を特別視せず、目標に対して一途に努力することの大切さは、当取材で私が得た起業家マインドです。私は学校教員志望のため、起業の意志は今のところ持っていないのが本音です。だが、本事業は、私の志望とは異なる「起業」という選択をされた方の話を聞くことができた貴重な体験だったと思います。

 


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
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